NHKニューイヤーオペラコンサートの最終リハーサルと本番。生放送もあるので、やり直しのきかない一発勝負!という緊張感が普通のコンサート以上に現場には高まります。特に時間に関しては、最後の音が21時前に入らなくてはならず、NHKの音楽担当の方々やマエストロ飯森さんのご心労たるや如何に、という感じです。この類のガラ・コンサートで、オペラ歌手たちが高い音をリハーサルより長く伸ばさない、なんていうことはありえませんし! 今日は無事に放送時間内に全ての演奏音が入って、その点は一同まずはホッと一息、といったところでしょうか。
一昨年に引き続き担当させていただいたこのコンサートの合唱指揮でしたが、今回も第一級のオーガナイズとチームワークの中で楽しくお仕事が出来て幸せでした。休憩時間に楽屋でヨーロッパを良く知るある出演者の方とも話していたのですが、このような複雑な進行と時間の制限があるコンサートを、これだけつつがなく進行させるなんて、なかなかヨーロッパでは難しいと思います。出演者は絶対に約束事を守らない人が出てきて、「それは私のせいじゃない」なんて言うでしょうし、スタッフはスタッフで「それは私の仕事じゃない」なんて言い出すに違いありません。ここではみんなで助け合って本番の成功という目標に向かって力を尽くしています。日本って、日本人って素晴らしいじゃないか、と改めて感じています。
今日のコンサートでは佐々木典子さんがドヴォルザーク「ルサルカ」の「月に寄せる歌」を歌われました。本番中、佐々木さんの歌を客席で聴きながら、遠く離れるチェコに思いを馳せていました。明朝にはプラハに向けて出発します。
BGM:ドヴォルザーク:歌劇「ルサルカ」から「ポロネーズ」
ヴァーツラフ・ターリヒ指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 (1940年録音、Supraphon)