あののんびりした8月最後の2週間はいずこへ・・・というくらい、仕事に追い立てられる (?) 秋が始まりました。体調を崩さず無事に年を越せますように・・・
9/1
福島県福島市の小学校で山形交響楽団のスクールコンサートを2回。今回はレンタカーを借りての移動です。高速に乗って片道2時間ほどの道のり。2ヶ月ぶりに山響の方々のお顔を拝見して何だかホッとしました。
夜、山形市内でブラックスーツを買いに行く。時間が無いので既製品で間に合わせ。本当はこういうの、きちんと作らないといけませんね。
夕食後、ホテルで締め切りの迫った1600字ほどの短い原稿を仕上げ、ホテルのフロントでプリントアウトしていただく。定宿のこのホテルのフロントの方たちはいつもとても親切で助かります。明日も早いので11就寝。
9/2
4時半に起床して今日演奏する曲のスコアに目を通す。7時半にホテルを出発。今日も片道約2時間の道のり。9時過ぎ、目に入った郵便局に立ち寄り、昨夜仕上げた原稿を速達で発送。今日は真室川町のホール、というか公民館で午前午後の2回。のみならず今日は午前中の本番直後に追加のリハーサルまで。こういうタイトなスケジュールに対して嫌な顔一つせずに取り組むのが山響の方々の素晴らしいところです。本当にいつも頭が下がります・・・
今日はプログラムにベートーヴェンの7番の第1楽章というのがありましたが、あとでふと考えてみたらプロのオーケストラで振らせていただいたのは今日が始めてでした。
子供たちはインフルエンザ対策ということでみんなマスクをしての鑑賞。東京の街中にいるとあまり感じませんけど、インフルエンザの影響、教育現場にはかなり出てきているようです。
移動はオーケストラでいつも用意しているバスでも出来るのですけれど、どうして今回はレンタカーにしたかというと・・・それは仕事のあとに温泉につかるためです! 山形は温泉が多く、特に下調べなどしなくても道を走っていればばしばし案内の標識や看板が目に入ります。今日は尾花沢市の徳良湖温泉・花笠の湯というところに立ち寄りました。ゆーっくり。疲れが癒えます。
昨日お願いをしたブラックスーツを引き取りに行くものの、何故か足の丈が変なことになっていたので再び直しをお願いすることに。21時を過ぎると眠くなって22時過ぎには就寝。
9/3
起床から出発までは大体昨日と同じ感じ。今日は鶴岡の文化会館で午前午後2回。やはり片道2時間は見ておかないといけない距離です。私は鶴岡・酒田方面に行く途中に通る月山道路のあたりの景色が大好きです。実に木々が美しい色合いを見せてくれます。特に新緑の季節と紅葉の季節はおすすめです!
今日も大自然の力に癒されながら運転していました。その時カーステレオで聴いていたのがショパンのピアノ協奏曲第1番の第2楽章だったので何となく感傷的になっていた、ということもありますが、景色を見ていたら何だかすごく東京にいる時の自分の心が荒んでいるように急に感じられて、涙が出てきてしまいました・・・
本日は高校生対象のため、プログラムは90分から105分。これを2回やると結構くたくたになります。というわけで当然帰りは温泉に寄り道です。鶴岡市のかたくり温泉「ぼんぼ」。地元のおじいちゃんたちとゆっくりしてきました。
ブラックスーツは無事に仕上がりました。定宿が満室のため、ホテルを移動。明日帰京のためレンタカーも返却。22時には睡魔。
9/4
数日ぶりにゆっくり寝ました! 今日は午後公演のみ。ホテルをチェックアウトしてタリーズコーヒーでカフェラテ+ストロベリーシロップを飲みながら譜読み。オーケストラのバスで移動して酒田市の鳥海中学校へ。素直に、真剣に聴いてくれる気持ちの良い生徒たち。終演時に知ったのは他の中学校と統合するため、今日がこの中学校としての最後のスクールコンサートであった、ということ。光栄でした。
帰京。自宅に着いたのは22時頃。
9/5~6
5日のお昼には既に千葉県の岩井にいました。新日本交響楽団の合宿。時間がたっぷりあるようでいて、「わが祖国」は音があまりに多く、もっともっと練習時間が欲しいくらい。この合宿では次回の演奏会のプログラムも決定。シベリウスの3番に初めて取り組めるのが楽しみです。6日夜帰宅。
9/7
午後、新国立劇場に伺ってバレエ関係の資料をいただく。「くるみ割り人形」のチラシも出来ていました。
作ったばかりのブラックスーツを着て、そのまま中劇場の「若杉弘さん お別れの会」に出席。業界人が大集合、という感じで、中劇場は2階席までいっぱい。先生のお仕事のフィールドの広さがうかがえました。感動的な畑中先生や栗山先生のお言葉、どれだけ悲しいお気持ちかもしれないのに、実に美しく、しっかりと振る舞われた奥様の羊奈子先生の強さ。何度も涙が出てきてしまいました。
会の中で、新国のオープンの時に上演された「ローエングリン」のうち、第一幕への前奏曲を指揮される先生の映像が特別上映されました。私もこの「ローエングリン」、2回も公演を観に行っています。懐かしく拝見しました。その前奏曲の最後の部分に合わせて、先生の最後の公演、昨年の「ペレアスとメリザンド」のカーテンコールの時の先生のご様子が映し出されました。歩くのも困難なはずなのに、堂々と、手を伸ばされて。あまりに美しい舞台捌きでした。
夜は普通のスーツに着替えて、普段から大変お世話になっている方とオーストラリア料理。
9/8
知人が処分しようと思っていた車を私に譲ってくださる、ということで引き取りに千葉県某市まで。種々のインストラクション、カーナビやCDプレーヤーの取り付けにまで付き合ってくれた知人に感謝。自宅まで3時間かけて帰宅。
9/9
午前中から夕方まで聖徳大学のオペラ公演「フィガロの結婚」の稽古。公演の指揮をされるのは音楽学部長の高橋大海先生なのですが、私も大学の講師なので稽古での指揮など何回か受け持ちます。
夜は新日本交響楽団の練習。「わが祖国」の後半3曲。合宿であまりできなかった部分を中心に。
9/10
朝10時前には既に信越本線の西松井田駅というところにいました。群馬交響楽団の移動音楽教室。
夕方はあるプロのオーケストラの関係者の方々と一時間弱ほどもゆっくりとお話をさせていただく貴重な機会がありました。
夜は同業・同世代の知人とふたり、新宿にて焼肉。わたくしめはアルコール抜き。
9/11
近所のディーラーに譲り受けた車を持ち込む。ワイパーの修理。そのまま預けてバスに乗って帰ろうとしたら道に迷ってしまい、住所を頼りに徒歩で家に帰ることに。途中、図書館なぞ発見したりもして、結果的には楽しい散歩になりました。あとは旅の準備と譜読み。
9/12
夜、四日市シンフォニックコーラスの練習。フォーレの「パヴァーヌ」とモーツァルトのレクイエム。11月の本番までに、もうそれほど多くは練習に伺えないので、本番までの練習スケジュールの流れなども確認。
東京駅に戻ってきたのは23時半過ぎ。明日は朝から仙台に移動するので東京駅に近いホテルに泊まることにしました。東京でホテルに泊まる、というのは何だか変な気分です。
9/13
10時前の東北新幹線で仙台へ。いやー、これだけ東京駅に近いホテルに泊まるととっても楽です! ゆっくり寝ていられるし! 何だか癖になってしまいそうで怖い・・・
久しぶり、感涙の仙台フィル。8年前、副指揮者の職を辞してここを飛び出して以来、数年前に一度だけある指揮者の代役でリハーサルのみ指揮したことはあったものの、自分が本番も振る正規の (?) お仕事としては初めてです。もう、何もかもが懐かしい。
事務局の方々、楽員の方々ともにあたたかく迎えてくださいました。リハーサルは余計なスピーチなぞせず、普段通りに。振り出す前は、楽員のみなさんのことはよく覚えているのに、仙台フィルの音自体の記憶が薄れているので、何だか変な感覚だったのですけれど、振り出してすぐ、ああ、そうなのか、と思いました。
私がスコアを読むとき、私の頭の中に響く音は、仙台フィルの音なのです。
そのくらい、私にとって仙台フィルとは、基準であり、原点であるということ、それを一瞬のうちに自覚しました。
楽員の方々の音楽力は素晴らしい。すぐに私の考えている方向性を理解してくださいます。安心感のうちにリハーサルを終えました。
仙台は定禅寺ストリートジャズフェスティバルの真っ最中。街中は大賑わいでした。そんな雰囲気の中、コンサートマスターの方と喫茶店でコーヒーを飲みながらあれこれとお話をして、ではまた明日、とホテルに戻り、宅急便で送った衣装鞄を開けると、入れたつもりだったドレスシャツがない (泣) ・・・またすぐに街中に戻って百貨店内をうろうろするはめになりました。
夕食は当然牛タン1,5定食。
9/14
七ヶ浜国際村のホールへ。自分の記録によると、副指揮者としての在任中、8年前の9月13日 (1日前、惜しい!) にもここで指揮をしています。もう全ての記憶も薄れていたのですが、着いてみると、ああ、あの時あの人にあそこのテンポについてアドヴァイスを受けたな、とか、あの人が楽屋にテレビを見にきたな (笑) 、とか、色々思い出すのですから不思議なものです。
今日の公演は「七十七 ふれあいコンサート」といって、地元の銀行である七十七銀行が主催してくださる小・中学生を対象にしたコンサートです。私も在任中にこのコンサートを何度か振らせていただきました。
昼食前にゲネプロ。業務に関係のない無駄話をするのは好きではないのですが、敢えてゲネプロ冒頭、自分が副指揮者時代にお世話になったことに対して、改めてお礼を述べ、頭を下げました。どうしても、そうせずにはいられませんでした。
14時から本番。プログラムの中に、例えば「新世界より」の第4楽章のような、私が副指揮者を辞める前の最後の本番で振った曲が何曲かあって、一生懸命気にしないようにしていたのですけれど、本番中振っていて、あの時の自分の気持ちとか、それから「新世界より」ではチェコ・フィルを含めたプラハでのこととか、色々と心の中でどうしてもわき上がってきてしまい困りました。もうちょっとで涙が出てしまうところだったけれど、何とか自分をコントロールして終えることが出来ました・・・
仙台フィルの皆さんにもしっかりと支えていただきました。同じ曲を演奏しても以前に演奏した時とは全く内容の違うものだったように思います。本当に感謝です。
新幹線で帰京し、閉店間際のディーラーに立ち寄って車の引き取り。どうも車の具合は色々と悪そうなので、新車購入も視野に入れて今後を考えることにしました。
9/15
夜、東響コーラスの皆さんとヤナーチェク「ブロウチェク氏の旅行」の初練習。今日は車で出勤してみました。慣れないと疲れますね・・・
9/16
午前中から夕方まで聖徳大学「フィガロの結婚」稽古。今日も車で出勤。余裕を持って家を出たつもりなのですが、都内は渋滞に次ぐ渋滞でハラハラドキドキ。もっと余裕を持って出ないとダメということか・・・ 何とか稽古開始10分前には到着して胸を撫で下ろしました。
夜は江東区内で新日本交響楽団の練習。「わが祖国」の前半3曲。練習後はゆっくりしたかったのですが、楽譜を引き取ったりガソリンを入れたりとしなければいけなかったので断念しました。帰宅23時半。疲れきってベッドに倒れ込みました。