Diary


8/11

 私の留学計画は、まず、2007年の8月で仕事を辞めて、プラハに行くと勝手に自分で決めたところから始まりました。


 指揮の仕事はかなり先の予定でも入ってきてしまうので、まず時期を決めないとどうしようもありません。お仕事は、一度引き受けてしまったら断れませんから。どうしてプラハかというと、大好きなドヴォルザークをより良く識りたいということ、特にドヴォルザークのオペラを知るためにまずはチェコ語を習得したいということがありました。

 次に方法を考えました。音楽院に入るのは最初からあまり気が進みませんでした。学生になるには年齢もそう若くないし、一人の先生に指揮を習うというのは少し自分の目的から外れているとも思いました。

 多くのマエストロたちのリハーサルを見て、色々な音楽家に話を伺う機会を得て、チェコ人の思うドヴォルザークとその演奏は何なのかをいくらかでもつかむ、そのためにはどのような場所に自分を置いたら良いのかを考えたら、やはりオーケストラの日常にもぐりこませていただくことしかない、という考えにあっけなく達しました。

 そこで、プラハにある某オーケストラで日々練習を見学させていただくために、そのオーケストラと関係の深い方にコンタクトをとり始めました。お忙しい方で、最初のコンタクトの試みは去年の4月だったのに、初めて電話でお話をしたのが今年1月。初めてお会いしたのは何と今年の5月です。随分時間がかかりました。今年に入ってからは、何度もお電話でお話しし、その方もオーケストラとのコンタクトをとってくださいましたが、なかなか話が進むには難しいものがありました。

 さて、話は変わって、プラハに留学されていたことのあるピアニストの方とお会いすることがありました。するとその方が件の某オケの奏者の方と親しく、しかもその方はアパートメントを持っていて、貸す人を探しているというのです。そこで渡りに舟と、まずは部屋を借りるお願いをしました。住居を探すのは大変ですからね。

 今年の5月下旬、来日されていたその楽員の方とお会いし、あなたのオーケストラの日常にもぐりこませて欲しい、と話すと、親切にも事務局に話をしてあげる、と言ってくれました。これでまたアプローチを再開できます。

 数週間後、先のピアニストの方のところに、楽員の方からメールがあり、可能となりそうな感触があるとのこと。あと一歩のところまできました。

 そののち、私からその楽員の方にメールをしました。私の勉強の可能性の確認と、それからプラハでの住処での住所を教えて欲しい、というお願いです。住所が分からなければ、荷物も送れませんし、転居のお知らせもできませんし。

 えーと、結構長いことお返事をお待ちしているんですけど、うんともすんともリアクションがないんですよね・・・ちょっと不安になってきてます。

 とはいえど、とにかく9月には飛びます。仕事もないのに日本にいたって仕方ありません。なので、遅まきながら種々の準備をしているのですが、これが多くの手間がかかります。

 受け入れ先がはっきりしていないのにヴィザがとれるわけはありませんが、のちのちのため、国内で出来る準備を可能な限りしておきたいと思って、先日大使館にお話を伺いにいきました。チェコ大使館の領事部は、週3日、午前10時から12時までの、週合計6時間しか窓口が開いていません。窓口は一カ所で、そこには2人のチェコ人女性と、1人の日本人男性がいました。日本人に対しての窓口での応対はこの日本人男性しかしていない (というか、出来ない) ように感じました。電話での問い合わせは、同日の、午後1時から4時45分までのみです。午前中は窓口業務があるから電話は無理なんだそうです。

 ちなみに、昔は違ったようですが、現在、ヴィザの申請はチェコではできません。日本で申請するのが基本です。現地にいらっしゃる方の苦情が多かったようで、そういう方々のためには、ウィーンでのヴィザの申請は可能なようです。何だかおかしい気もしますが。

 ヴィザを取得するのに必要なものに銀行の残高証明書と、そのチェコ語の公式な翻訳というのがあります。先週末、この残高証明書をお願いしに銀行に行きました。書類を書くのは大変ではなかったのですが、私は住所変更をしていなかったようで、そのことを銀行員の方も見落とされており、部屋に戻るとすぐに電話がかかってきて、同日夕方再度銀行に足を運ぶはめになりました。お詫びの品としてお皿を準備してくださっていましたが、丁度私は新潟に泊まりで出かけるところだったのでいただけませんでした。残念。

 数日後、残高証明書が配達証明で送られてきて、郵便局からの不在通知が入っていました。再配達のお願いをしたあと、スケジュールの変更があって再配達の時間を少し遅い時間に変更してもらったのですが、その連絡が先方でうまくいっていなかったがために、面倒くさいことになりました。5人の郵便局関係の人と電話で話をして、何とか予定通りの時間に残高証明書をゲット。ついでに、電話連絡にかかった経費600円ばかりもしっかりゲットしました。

 次にこれを翻訳してもらわなくては。翻訳後、領事部に持っていって、認証をしてもらわなくてはいけません。一週間ほど認証に時間がかかって、それを再度領事部に取りに行かなくてはなりません。面倒くさい!

 保険証券も提出しなければいけません。保険に入っておかなくては。当初、留学生保険に入ろうと思ったものの、契約準備途中で、学校に入るのではないのでダメ、ということになってしまい (そこをなんとかして欲しい、と交渉していたのですが) 、別の会社の海外旅行保険に入ることにしました。保険会社にここ一週間で4回通いました。今日やっと契約。1年ものの保険は結構な金額がかかります。これから保険証券を出してもらって、またそれを取りにいかなくてはいけません。

 これはヴィザとは関係がありませんが、目下最大の問題はわが部屋の荷物をどうするかです。山口県に住むF氏のご厚意で、荷物を預かっていただけるかもしれなかったので、今朝、引っ越し業者の方に来ていただいて見積もりをとってもらいました。な、なんと、39万円もかかります。うちの実家も荷物が多くて、現状では私の荷物を運び入れるのは難しいのですが、実家の荷物を処分して何とか東京の荷物を押し込まないといけないかもしれません。あと2週間で引っ越しを済ませたいのですが、間に合うでしょうか?

 残り少ない現在の私の部屋での生活ですが、冷房を入れるとブレーカーが落ちてしまうために実質冷房使用不可になっていました。長い間耐えてきましたが、最近はさすがに死にそうなので修理を依頼しました。今週月曜に電気屋が来て、ブレーカーの配線を変更して、より多くの電力が冷房に対して使えるように修理してくれました。これで5時間程は快適な生活を送っていたのですが、またブレーカーが落ちるようになってしまいました。ブレーカーが落ちると他の電化製品にも被害が及ぶので困ります。たちまち状況が修理前と同じになってしまったので、次の日に急遽電気屋に再度来てもらったところ、長時間の修理が必要ということで、その日は時間がなかったため、とりあえず3つのブレーカーのうちの1つを冷房専門にし、もし冷房のブレーカーが落ちてもパソコン等には影響のないようにしてもらいました。

 これでしばし快適か、と思いきや、今度はエアコンが勝手に休憩 (電源は入っているのに、風を出してくれない) するようになり、全く機能しなくなってしまいました。もう暑くて暑くて、部屋では何もする気がおきません。寝ている時にかく汗もすごい量です。

 そして今日、3度目の修理をしてもらいました。1時間半以上、電気関係をあれこれと直してもらって、結論は、「もうこのエアコン、駄目でしょう」。もう耐えられません。不思議なもので、同じ状況でも、耐えようと思えたら耐えられるものでも、耐えられないと思ったらもうどうにも耐えられなくなってしまうものです。管理会社に連絡をとって、状況を説明し、もう肉体的にも精神的にも限界であると伝え、対応を頼みます。担当の方曰く、「扇風機をリースするとか、そういうことではないですよね」。ええ、違います。大家さんに連絡をとってもらって、エアコンの緊急修理が出来るかどうかの可能性を探ってもらうことにしました。

 しばらくして、管理会社から驚きの電話が。何と大家さんは、部屋にエアコンは付けていないと主張していて、管理会社のパソコン上のデータでもそうなっていると。簡単な話、大家さんにはエアコンを直す責任がないということです。そして、それは置いておいたとしても、とりあえずエアコンの修理が出来そうなのは早くてお盆過ぎ、つまり16日以降であり、機種も古いのでもうエアコンそのものを取り替えるしか方法がないと言うのです。ということは、お盆過ぎまでは我慢して、自腹で修理して、その恩恵にあずかれるのは10日程度ということですか・・・

 とにかく私は、もうここには住める状況ではないので、今日からホテルに移る、と管理会社に伝えました。20泊もするとかなりの金額になってしまいますが (泣)。先方もさすがに不憫に思ってくれて、解約時の部屋の修繕費用負担の額などで出来る限りの便宜をはかってくれること、エアコンを修理するお金を大家さんが何とか出してくれないか、説得の方法を考えてみてくれるなどのことを申し出てくれました。とにかく継続審議!

 自宅から歩いて5分ほどのホテルにて。フロントで宿泊料金表を見せてもらいます。シングル1泊1万7千円台。高い・・・ ところが、今日は1万2千円台で泊まれるとのこと。さらにネットで予約をすると7500円に! 料金差ありすぎです。

 もちろん部屋に戻ってネットで予約をしてから再見参しました。

 ああ、快適!!


P.S. その1
 
 その後、契約書をひっくり返した私は、「建物の整備の整備状況」覧に「冷暖房・有・1機設置」とあるのを発見。早速、管理会社に連絡を取り、その文面が有効であることを確認しました。少しでも金銭的負担を軽減するため、しぶとく戦っていくぞ!

P.S. その2

 上の文章を書いた後メールを見てみると、なんとチェコの楽員の方からのお返事が届いていました。話は何とか進みそうです!

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