Diary


9/5

 朝食前に、プラハに持って行くのを断念した荷物を実家に送りました。次に日本に戻ってきたときに持って行こうと思います。9Kg分の荷物を減らしましたが、なんだかんだと詰め込むとそれでも持って行くスーツケースは余裕で30Kgを超えそうです。でももう減らせないというところまで減らしたので、あとは超過料金を払おうと思います。


 荷物を全部楽屋まで持ち込んで、今日は午前午後と昨日と同じプログラムで2回本番でした。

 振りながら、仙台フィルで振っていた時代に楽員の方々から受けたアドヴァイスを色々と思い出していました。ここでは煽らないとか、ここでは打点の位置を変えないとか、そういった具体的かつ実践的なことです。仙台フィルの副指揮者時代には、こういったアドヴァイスを多くいただきました。それを必ず生かしていくことが、楽員の方々への御礼になると思っているので、絶対に忘れず、必ず実践するようにしています。

 今日も、午前中の本番のあと、群響の楽員の方からちょっとしたご示唆をいただきました。テンポに関する部分的な話だったのですが、午後の本番でその楽員さんの仰る通りにやってみると、なるほど、一カ所を気をつけるだけでその後がこんなに違うのかと思うような結果になりました。この楽員さんには今までにも何回か (といっても、2年半で3〜4回ほどかな) 、こうしたご示唆をいただいていますが、必ずすぐに結果に出るようなことを仰ってくれます。経験豊かなオーケストラ・プレーヤーの意見ほど指揮者を育ててくれるものはありませんね。

 以前にはさほど感じていなかったことですが、今回の「運命」で一番難しいと感じたのは第2楽章でした。アンサンブル上は他の楽章ほどの難所はありませんが、この楽章にどのような存在感を与えるかで全曲の印象がかなり変わってくるはずです。音楽的にこの第2楽章を全曲の中でどうとらえるか、ということ、それから変イ長調の主部に対してのハ長調の部分というのは一体何を意味しているのか、ということを今回に関しては自分の中でずっと考えていました。文章にするにはもう少し熟考していきたい課題です。

 今日の午後がとりあえず私の渡欧前最後の群響のお仕事になることを知っていらっしゃる何人の楽員の方々から励ましのお言葉をいただきました。のみならず、ある楽員の方からはちょっとしたものをいただいたり。昨日も事務局の方に群響グッズをいただきました。全く予期していなかったので大変に嬉しかったです。しかも今日は高崎駅の新幹線の改札口までステージマネージャーの方がスーツケースを持って下さいました。感謝することしきりでした!

 しかし疲れました。それに加えて重いスーツケースを引っ張りまわすのもしんどく、新宿のホテルに辿り着いた時には相当肉体的に参ってしまっていました。ところが精神的には逆にハイになってきてしまって、というか、少しばかりやけくそ気味になってきてしまって、そこから一気に10月の航空券の支払いと受け取り、現像された写真の受け取り、散髪をこなし、新宿タワーレコードに行ってふらふらしました。ぐっとこらえて何も買いませんでしたが、試聴機で聴いた「なにわオーケストラウインズ」のアルフレッド・リード「春の猟犬」の演奏が見事で感激しました。厚みのある中低音、高音の透明感、何より、今まであまり意識していなかった声部までくっきりと描かれていたこと。この曲、私が中学校3年生の時の吹奏楽コンクールの自由曲で演奏した懐かしい曲です。

 さすがに24時前には眠ってしまいました。

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