Diary


10/29

 馬鹿げた一日。

 パリの時間で朝の4時過ぎにパリ到着。トランジットのバスを一時間近く待たなくてはいけないことは解っていたので今回は少し時間を有効に使えた。6時頃にはプラハ行きの飛行機が出るターミナルに着いて、荷物の検査も終えて、ゲートの前で楽譜を読んでいた。すると次々と人々が搭乗エリアから出てゆく。欠航になったとのことで、トランスファー・デスクに行けという。しまった、出遅れた。案の定長蛇の列の最後尾に並ぶはめになったが、どうやらプラハ行きの他にも欠航になっている便があるようだ。エールフランスの客室乗務員のストライキについては知っていたが、成田からは問題なく飛んだので甘くみていた。


 45分ほどは並び続けただろうか、やっと私の番がまわってきた。プラハ行きの飛行機で最初に席がおさえられるフライトは夕方6時台の便だという。がっくりときたが仕方がない。他の都市経由も申し出たが料金を払わなければいけないということで尻込みした。飛行機をキャンセルして電車でプラハまで移動することも一瞬考えた。しかし疲労の中、重いスーツケースを引っ張ってどの列車がプラハに行くかを探るところから始めなくてはいけないことを考えて諦めた。

 オルセーにでも行こうかと思ったが、あいにくの雨。私は両手に重い荷物、中にはパソコンやハードディスクもある。オルセーは最寄りのメトロの駅から出て5分弱歩かなくてはいけない・・・決めた、空港内で待つ。まずは残り少ないバッテリーを気にしながらワイヤレスでネットがつなげる場所 (ターミナル2E全域がネット接続可能) に行って、必要な場所にメールを送る。

 ここまでが朝9時頃までの話。それからサーモンづくしの昼食を挟んで15時過ぎまでひたすら本と楽譜を読み続ける。夕方の便のチェックインが16時半だと聞いていたので早めにカウンターのある場所に行ってうろうろしてみる。16時過ぎから並ぶ。ずっと並ぶ。気がつくと全体がまた長蛇の列になっている。ところがチェックインカウンターには職員が誰もいない。17時頃だったろうか、やっと一人やって来た。それからまたしばらくしてもう三人ほど。しかしカウンターは開かない。17時半、18時、18時半になってもまだプラハ行きの便だけはチェックインが始まらない。足が痛い。嫌な予感。そして19時前、欠航のアナウンス。アナウンスとは言っても最前列の数人に話しかけるだけ。情報は自分から求めなければ何も手に入らない。

 再度便のとりなおし。受付は混乱状態だ。明日午前9時55分の便をおさえて、ホテルのバウチャー、ミールクーポンをもらって、スーツケースを一度出してもらうお願いをして、パスポート・コントロールを通過して荷物を待つ。するとさっき受付をしてくれた職員が追いかけてきて、自分は間違えていて、明日9時55分の便はなく、再度手続きをするのでついてきてくれという。2分後にはパスポート・コントールを経て再びさっきと同じカウンターの前にいた。

 そこで言われたのは明日の午後3時台便がおさえられる一番早い便だということ。さすがに、お金を払っても良いから他の都市経由でもっと早くプラハに入れないかと言った。すると追加料金はなしで (心情的には当然だろうと思う) 明日朝7時パリ発、8時25分フランクフルト着、9時25分フランクフルト発で11時前にはプラハに着くというルートをおさえられるというのでそうすることにした。

 それから、他の職員を呼ぶので少し待って欲しいと言われ、そのまま15分ほど待たされた。どんどん他のお客さんたちは手続きを終えて去っていく。空いている職員に事情を話す。そこからまた10分待たされる。さらに別の職員に事情を話す。すると待っていろと言って私の搭乗券 (キャンセルになった便の) を持って去っていく。私は最後の客になった。そこからまた10分近く待たされる。すると先の職員が来て、今プラハ行きの便が出るから来て!と言われた。走った。その便 (チェコ航空) に乗ることは確かに可能だった。しかしスーツケースは間に合わないと言われた。私のスーツケースは今、約一時間前に私がいた場所のベルトの上に乗っかって廻っているはずなのだ。職員の人に、今乗ってスーツケースを後で受け取るか、それともスーツケースと共に明日まで待つか、今すぐ決めろと言われた。私は今すぐスーツケースを取りに行って5分以内にここに戻ってこれると言ったが、搭乗は今すぐでないと駄目だということ。ところで私は、5年前にエールフランス便のパリ経由ジュネーヴ行きに乗って、この時も荷物を運ぶ人たちがパリでストライキを起こしていたがために、荷物が受け取れず、スーツケースが滞在元に届くまでに3日間もかかったという経験をしたことがあった。あのような思いはもうしたくないので、無念だがパリで一泊することにした。プラハ行きの便の搭乗手続きが終わったあと、その場でフランクフルト経由の便をおさえてもらって、とぼとぼとパスポート・コントロールを抜けた。この時点で21時過ぎ。

 ベルトの上に私のスーツケースが廻っていない。担当の職員にすぐ調べてもらった。すると私のスーツケースは既に明朝のフランクフルト行きの便に乗るルートに乗っかってしまっているという。冗談じゃない。ついさっき、別の職員と再度確認したことと違う。さすがに怒った。それはあなたがたのミスで、とにかくここに持ってくるべきだと言った。しかしながら結論から言うと、私のスーツケースは出てこなかった。愕然としてトランジットホテルに向かう。長い時間バスを待ってやっとホテルにチェックインしたのが22時半少し前。本当に疲れた。

 ホテルで風呂に入って、レトルトのボロネーゼを食べて、Edelweiss なる白ビール (ってどういう意味なのですか?) を飲んで、テレビでアルジャジーラを見ながらベッドに倒れ込んだ。

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