Diary


10/4

 午前中からゲネプロ。午後は部屋で仕事の準備とチェコ語のお勉強に時間を費やしました。形容詞と食べ物や飲み物の「〜味」みたいな表現を覚えているのですが、何故か「クリーム味」を意味する「シュレハチュコヴィー」だけがいつまでも覚えられません。


 夜、いよいよ本番。


 今日聴いたコンサート@ルドルフィヌム ドヴォルザーク・ホール

 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会
                   (CDチクルス第1回 / 第1日)

 指揮:ローレンス・フォスター
 ピアノ:ルカーシュ・ヴォンドラーチェク

 シューマン:交響曲第1番 変ロ長調 作品38 「春」
 リスト:ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調
 アンコール/ (ピアノ・ソロ、曲目不明)
 シューマン:交響曲第2番 ハ長調 作品61

 
 配置はヴァイオリンが対向配置、チェロバスが下手です。また交響曲第2番の第1・4楽章のみ木管楽器が倍管、ホルンも倍管ですが、これは非常に部分的に用いられていました。先月のこのホールで演奏したほとんどのオケもそうだったと思いますが、スペースの都合か弦は14型です。

 リハーサルはずっと1階で聴いていたのですが、本番は2階で聴きました。そのせいか、リハーサルに比べ金管楽器が強いように思いましたが、一方このオーケストラのベースセクションの響きの良さを存分に味わえました。ずんずん押していくような迫力を出すというよりは、美しく遠くまで音をとばすといった感じで、音程が実にクリアに聞こえます。

 ピアノのヴォンドラーチェクさんは1986年生まれですが、アシュケナージさんに見い出されたということで、すでに何度かチェコ・フィルと共演しているようです。ステージ・マナーもいかにも若者らしい感じ。スタイルは超絶技巧型快速運転系で、何箇所かはオーケストラが正確に演奏するのが不可能なところまでスピードを上げていました。指揮者だったらありえないスタイルでしょうが、ソリストだと何となく許される (???) からいいよなあ、なんてちょっと思ったほど。おっと失礼致しました。

 予測していましたが、お客さまは大拍手でした。

 シューマンは2曲ともフォスターさんによるアレンジメントが施されています。ほとんどが管楽器に関してですが、弦楽器にも少しだけ。フォスターさんは、かなりバランスに気を配っていました。プログラムにも書いてありましたが、今回ライヴ録音されているので、フォスターさんとしても自分のこだわりを出し切った演奏にしようという意気込みがあったように思います。

 オーケストラの美しい音色が、特に緩徐楽章の表現において光っていたと思いました。

 そういえば、フォスターさんが、第1ヴァイオリンの後ろのプルトと第2ヴァイオリンの後ろのプルトのコンタクトを「虹がかかっているような」と仰っていましたが、実に美しい表現で心に残りました。

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