Diary


12/22

 日本のオーケストラならばこの時期に休むことなど考えられないことですが、チェコ・フィルの次の演奏会は大晦日のジルヴェスター・コンサート。しばしお休みです。


 今日はいくつかショックなことがありました。まず一つは、チェコ共和国が昨日からシェンゲン協定に加盟したという事実を知ったことです。これにより、先日入管の人が言っていた、3ヶ月に一度外国に出て・・・といった方法は、一切無効になります。Wikipedia によれば、「シェンゲン非加盟国の国民はシェンゲン地域内での滞在期間が制限されている。一般的な規則では最初に入国した日から数えて180日の間で、最大90日間の滞在が認められる。180日間で何回もシェンゲン地域を出入りする可能性がある場合、数次査証の供与が許諾される。ただしそのときのシェンゲン地域での滞在は、総計90日以下でなければならない。」ということです。このことが、先日のヴィザがおりない件と合わさると、自分のプラハ滞在にとって壊滅的な打撃となります。

 私の弱いオツムで考えるに、つまり12月10日にシェンゲン地域に入った私は (尤も、この時点ではチェコ共和国ではシェンゲン協定には加盟していなかったのだから、計算方法はどうなるのか、ということは大いに疑問ですが、話がややこしくなるので今は悪い方に傾けて単純化しておきます) 、6月10日までの間に (これも単純化しています) 合計90日間しかシェンゲン地域には滞在できないということになります。私の今回の滞在は72日間の予定。2月20日に日本に戻るのですが、するとその後は6月10日以前は18日間しかプラハに滞在できないわけか・・・ しかもシェンゲン地域には、イギリス以外のほとんど全てのヨーロッパの国が含まれています。だからこの90/180日間というのは、自分がヨーロッパにいることのできる総日数であると言ってしまってもほぼ間違いではありません。

 さて、ヴィザをとるために非常にわずかながら自分に残された手段はあるものの、どれもかなり手間がかかるものになると思われ (はっきり言って憂鬱です) 、早々に動き出さなければ間に合わないかもしれません。しかしいずれにせよ今回の滞在中にヴィザを入手するのはほぼ絶望的と思われます。予算の面から、あまりに行ったり来たりは出来ないのも、また悩みの種。

 ピンチです。参りました・・・とりあえず、最悪の状態 (つまり、来年の3月以降、一時引き揚げ、もしくは半引き揚げ状態になること) を含めて、数日以内に頭の中にいくつかのプロットをこしらえなくてはと思っています。

 もし詳しい方がいらっしゃいましたら、ご教示を。

 もう一つのショックだったことは、それに比べれば比較的軽いものですが、今年夏に大使館で入手したプラハの文化イベントのパンフを見ると、今日はスタヴォフスケー劇場で「ナクソス島のアリアドネ」があると載っていたので、レヴァイン先生のDVDを見たりして、約半日備えていたのです。それで、夕刻出かける時になって、「一応、ネットで確認しておこう」と思って劇場のサイトを見ると、が・がーん、今日は普通のクリスマス・コンサートになっているではないですか。きちんと確認しなかった私が悪いのですが、落ち込んでしまい、その後、悔しまぎれに今回の滞在中に見るべき演奏会やオペラ公演のスケジュールを全て確定しました (極端な性格なもんで) 。
 
 結局夜は、部屋で「カラマーゾフの兄弟」を読んで過ごしました。

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