今日は大分暖かい日でした。太陽が顔を見せ、昼間は4度もありました!
オーケストラはワルター・ヴェラーさんがお見えになってグラズノフの5番を中心とした演奏会のリハーサル。
リハーサルが午前・午後と続けてある時に、昼食をとる場所をしばらく試行錯誤していましたが。今日良いところを見つけました。<Bio-cafes> というお店です (http://www.bio-cafes.com/index.php) 。明るく清潔で健康的で値段も高くありません (ちと量が少ないのが難ですが) 。しばらくはここで決まりです。これで薄暗い店での美味しくない料理ともおさらば!
夜は、ルドルフィヌム内にある室内楽ホール「スーク・ホール」での演奏会に初めて出かけました。
今日聴いたコンサート@ルドルフィヌム スーク・ホール
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団室内楽シリーズ第4回演奏会
プロ・アルテ・アンティクァ・プラハ演奏会
「エーバースによるベートーヴェンの音楽の時代的編曲集」
ベートーヴェン (arr. エーバース):「プロメテウスの創造物」 作品43 序曲
ベートーヴェン (arr. エーバース):交響曲第6番 ヘ長調 作品68 「田園」
ベートーヴェン (arr. エーバース):交響曲第5番 ハ短調 作品67 「運命」
アンコール/ベートーヴェン (arr. 不明):交響曲第8番 ヘ長調 作品93 第3楽章
第4回演奏会といっても、あくまで今シーズンで4回目ということだと思います。
今夜の演奏会はかなり楽しみにしていたものでした。が、団体名からは編成が全く分からず。会場に着いてプログラムを手に取ってみてからやっと、弦楽五重奏 (ヴァイオリン2、ヴィオラ2、チェロ1) の演奏会であることが判明、しかもこの団体、古楽器で演奏するとのこと。かなり意欲的な演奏会であることが分かりました。
チェコ・フィルのシリーズなので当然といえば当然ですが、つい数時間前まで現代楽器でグラズノフを弾かれていた方々が舞台に登場されました。日本のオーケストラ・プレイヤーもよく働きますが、チェコの方々もやる時にはやりますね。しかし、そんな簡単にひょいひょい楽器も奏法も変えられるものなのでしょうか?
編曲者であるカール・フリードリヒ・エーバースはベートーヴェンと同じ年に生まれたドイツの作曲家。当時は家庭などで楽しむためにこのような編曲が多く出回っていたようですから、そんな一環として当時出版された楽譜を今回は取り出してきた、ということなのでしょう。その手法は原典に忠実にといった方法からは程遠く、単旋律に和声を付加したり、ダイナミクスを全く変更してしまったり、旋律に装飾音を追加してしまったり、極端な場合には小節を減らしてしまったりとやりたい放題。ただ、おそらくこれはとにかく単調さを避けるためのエーバースの真剣な工夫なのだと思います。でなければこんな面倒臭い小細工をする必要性など無いでしょう。
演奏は全体的にかなり速めのテンポ。チェコ・フィル本体のアンサンブルには音楽の推進力を強く感じさせる個性があると常々感じていますが、全く同じ性質を今日のアンサンブルにも感じました。弦楽五重奏ということで、特にヴァイオリンと第1ヴィオラなどオリジナルの弦楽パートとかなりの部分同じ楽器法。シンフォニーを一人弾きだけで全曲通す (しかも今日は2曲を古楽器で) ことの負担の大きさを考えれば、今日の演奏はかなりの敢闘賞ものだと思います。
アンコールの編曲者は不明とはしましたがおそらくエーバースによるものと思われます。本プロのアレンジと同傾向のものでありましたし、この団体はエーバース編曲による8番の全曲のCDをポニーキャニオンから発売したこともあるようなので。
演奏外のことで一点。プログラムのベートーヴェン5番のところに、「オスドヴァー (運命)」という副題が書かれていました。日本以外ではほとんどこの曲に「運命」という副題をつけることがない (少なくともCDなどでは) ので、ちょっとびっくりしました。