今日観た公演@東京文化会館 大ホール
東京文化会館 コラボレーションコンサート
H・アール・カオス × 大友直人 × 東京フィル
指揮:大友 直人
東京フィルハーモニー交響楽団
バルトーク:パントマイム「中国の不思議な役人」 作品19 Sz.73
構成・演出・振付:大島 早紀子
舞踊:白河 直子、木戸 紫乃、小林 史佳、斉木 香里、泉水 利枝、横山 博子、池 成愛
二期会合唱団
武満 徹:シグナルズ・フロム・ヘヴン
ラヴェル:ボレロ
構成・演出・振付:大島 早紀子
舞踊:白河 直子、木戸 紫乃、小林 史佳、斉木 香里、泉水 利枝
マエストロにお会いしたく、また東京フィルの演奏であることもあり、さらに大好きな「役人」が舞台上演されるとあって、喜び勇んで足を運びました。
しかし、「H・アール・カオス」という団体については全く知識がありませんでした。かろうじて、主宰の大島さんが昨年二期会で「ダフネ」を演出されたのを知っていたくらい。
こ、これがもの凄いステージングで驚愕ものでした。とにかく踊り、というかパントマイム (?) が激しくアクロバティック。特に「役人」の後半は信じ難き光景。役人が首に縄をかけられて体がダラーンとなると、その縄でステージから数メートル上まで吊り上げられていき、怪しげな照明の中、何とそのまま空中で舞踊する! 観ていて、もし落ちたらどうするんだと、ハラハラドキドキ、そしてそのステージングの美しきグロテスクさに、すっかり背筋が凍りました。でもそれって、バルトークのこの音楽とピッタリと合っているということなんですよね。ピットのデッドな音響で鳴るオーケストラが、それがゆえに場末の雰囲気を良く出していて (やはりこの曲はこの形での上演が最も望ましいと、激しく納得した次第) 、ちょっと忘れられない、いや一生忘れられなそうな上演となりました。
インテルメッツォ的に演奏された武満は花道の上下に分かれて演奏され、劇場的感覚が強く。「ボレロ」は赤い泡が舞うような装置の中、熱狂的な舞踊にやはり圧倒されました。
このような舞台、世界に持っていけないものでしょうか。絶対に熱狂を呼び起こすと思うのですが。
BGM: バルトーク:中国の不思議な役人
サー・サイモン・ラトル指揮バーミンガム市交響楽団・合唱団
(1993年録音、EMI Classics)