Diary


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 今日聴いたコンサート@ルドルフィヌム ドヴォルザーク・ホール
 
 プラハ放送交響楽団第81コンサート・シーズン 第8回定期演奏会

 指揮:ホセ・ミゲル・ロディーリャ
 チェロ:リノール・カッツ

  フランク:交響詩「呪われた狩人」
  ハイドン:チェロ協奏曲第1番 ハ長調 Hob. VIIb: 1
  ビゼー:交響曲第1番 ハ長調


 久しぶりに放送響を聴きました。先日東京に戻っていた時に「のだめカンタービレ」のスペシャルでこのオーケストラが出演していたのを見ましたが、あのホルン奏者も、あのコンサートマスター (実際には彼はコンサートマスターではなく、今日はセカンド・ヴァイオリンのトップサイドで弾いてらっしゃいました) も、当然今夜もしっかりご出演。

 このオーケストラを聴く楽しみのメインは、自分の中ではすっかり強烈なトランペットを聴くことになってしまっています。今日も1曲目のフランクから期待に背かない炸裂っぷりで、思わず耳をふさごうかと思ってしまったほどでした。しかし彼らは音色が悪くないので、嫌だなあとは思わないんですよね。

 ハイドンを弾かれたカッツ嬢は、1987年イスラエル生まれ。バレンボイムが振っている「ウェスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラ」 (ご存知ない方は、ぜひお調べあれ!) に参加したり、メータ指揮イスラエル・フィルの日本ツアーにもメンバーとして参加したりしていたということ。美しく弾いてらしたと思うのですが、オーケストラの後ろ側から聴いていた私には、音量的にあまりよく聞こえませんでした・・・

 指揮のロディーリャ氏は40代半ばくらいなのでしょうか? 初めてお名前を伺う方でしたが素晴らしかったです。筋肉質な感じと棒のラインの明晰さは非常にリッカルド・ムーティ的なのですが、テンポ設定はムーティ氏とは逆にどの曲もどちらかというと落ち着いた感じでした。音楽の様々な表情の変化を指揮ぶりで実に巧みに示していらっしゃいましたが、それでいて体の軸が全くぶれないのは、音楽の呼吸のコントロールと指揮をするご自分の精神的コントロールの両方が完璧に出来ているためとお見受けしました。ビゼーの交響曲をスピードに頼らずに、かつ飽きさせず聴かせた手腕の高さに感激。素晴らしい指揮者はたくさんいるんですね・・・ ぜひまた聴いてみたい、見てみたい指揮者です。


BGM: フランク:交響詩「オンファールの糸車」
     ウィレム・メンゲルベルク指揮ニューヨーク・フィルハーモニック (1929年録音、RCA)

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