Diary


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 「ターボルに行く、ターボルに行くから寝坊しないように・・・」と思いながら寝て、寝ながらも頭の中ではドヴォルザークの序曲「フス教徒」が鳴っていたのに、結局寝坊。電車の本数がそれほどないので、少々慌てて出かけましたが、何とか無事予定通り11時過ぎの電車に乗れて、13時前にはターボルに到着。


Taborstation.jpg  ターボルは人口37,000人ほどの町ということですが、ちょっと歩いた感じでは「そんなに人がいるの?」という印象。ど田舎、ではありませんが、こじんまりとしたかなり小さな町でした。


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 駅前の「フス広場」では小鳥たちのさえずりが心地よく、かつての軍事都市も今は平和に包まれていることをしみじみと感じることが出来ました。町の中心、「ジシカ広場」に向かう道すがら、終戦を記念した像を発見。


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 町の見所は主に三ヶ所。最初は「フス運動博物館」。15世紀の戦を再現したジオラマ、当時の戦いに使われた武器など。次は「キリストの変容教会」。でも教会の内部には入れなくて、塔を上るのがメイン。今までいろんな塔に上りましたが、ダントツで窮屈かつ怖かったです。階段の幅がすごく狭いし、鐘の下をくぐらなくてはいけないし。しかも一番上に着くまで人の気配が全くなかったので少々不安でしたが、上には3〜4人の観光客と3人の係員がいたのでホッとしました。塔の上から見た景色は美しかったです・・・


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 ちなみに塔の上は何故か古い切手やお金を売るお店になっていたので、何となく1927年から1944年まで使われていたというチェコスロヴァキアの10コルナ札を買ってしまいました。普段はこういったものには興味はないのですが、ムハ (ミュシャ) の絵が図柄に使われているというところに惹かれました。


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 もう一ヶ所、「ゴトノフ城」に向かう途中、町をぐるりと取り囲む城壁を見に行きました。城壁の向こうに広がる美しい自然、城壁にもたれて物思いの耽るおじいさん、その向こうでブランコに乗っている子供・・・ 城壁が語る古の戦いの記憶と、のどかで心温まる平和な現在のコントラストが強く心に残りました。「ゴドノフ城」は15世紀に民衆の生活に関する小さな博物館。客は私だけ。

 再度「フス運動博物館」に戻って、地下道のガイドツアーに参加。1420年にこの町が造られてから100年間もかけてこの町には長大な地下道が造られたそう。ガイドのお姉さんの仰っていることはほとんど分からなかったけれど、ちょっとした探検気分が味わえて楽しめました。

 これで予定していた場所には全て訪れたし、小さい町もほぼ半周はしたので、16時の電車に乗ってプラハに戻りました。たった3時間程度しか滞在しなかったことになるけれど、古い街並にとのどかな雰囲気を味わえて十分にリフレッシュできました。


BGM: スメタナ:連作交響詩「わが祖国」 (ピアノ連弾版)
    レナタ・アルダシェヴァー & イゴル・アルダシェフ (Pf.)  (2002年録音、Supraphon)

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