今日聴いたコンサート@市民会館 スメタナ・ホール
第63回「プラハの春」音楽祭 オーケストラ・シリーズ
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団演奏会
「カレル・アンチェルへのオマージュ」
指揮:クリスティアン・アルミンク
ヴァイオリン:ユリア・フィッシャー
カベラーチ:反照 (Reflections) 作品49 〜管弦楽のための9つの小品
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 作品53
アンコール/パガニーニ:24の奇想曲 作品1 第20番 ニ長調
マーラー:交響曲第1番 ニ長調 「巨人」
日本では新日本フィルの音楽監督としてお馴染みのアルミンク氏が来演されました。チェコ・フィルとの共演は初めてではないようです。
今夜の演奏会はアンチェルに捧げられていて、彼が生前熱心に採り上げた作曲家たちの作品で構成されている、ということのようです。そういえば1月のチェコ・フィルのアンチェル生誕100周年を記念した定期演奏会の時もマーラーの1番でした。
カベラーチの作品はサブ・タイトルにもあるように9つの小品から成り立っているわけですが、1楽章あたりの演奏時間は最長でも2分だと思います。簡単に言ってしまえば音量が大きめのウェーベルンといった印象です。
ユリア・フィッシャーさんの協奏曲はあくまでヴィルトゥオーゾ的な作品としてこの曲をとらえたのか、と思いたくなってしまうほど私には両端楽章が速く感じられました。こういう自分の想像もし得ないドヴォルザーク演奏の可能性もあるのか、という感じです。偶然話をする機会を得た日本人の方にそう言ったところ、「オイストラフとアンチェルの演奏はもっと速い」と言われてしまったので驚いて部屋に戻って聴いてみました。確かにフィッシャーさんよりどこもかしこも速いというわけではないものの、これもかなり速い演奏です。ただ印象としてはそれでもオイストラフのほうのが重心を低めにとっているように思います。
実演と録音との比較などという、いささかくだらない話になってしまいました・・・
後半のマーラーはアルミンク氏らしい精緻なスタイルで、大音量の部分などでも響きが実に良く整理されていました。スコアに書かれていることを改めて教えられるような演奏で勉強になりました。
BGM: ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲
ダヴィッド・オイストラフ (Vn.)、カレル・アンチェル指揮プラハ放送交響楽団
(1950年5月録音、Praga / Le chant du monde)