Diary


8/20

今日聴いたコンサート@ルドルフィヌム ドヴォルザーク・ホール

「ドヴォルザークのプラハ」音楽祭

プラハ放送交響楽団
指揮:ウラディミール・ヴァーレク
ヴァイオリン:庄司 紗矢香

 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
 アンコール/レーガー:無伴奏ヴァイオリン作品 (詳細不明)
 チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 作品74 「悲愴」


 庄司紗矢香さん晴れのプラハ・デビュー!の日なのですが残念なことに今日もドヴォルザーク・ホールはガラガラ。オーケストラはいつもこのホールで定期演奏会をしているプラハ放響なのにチケット代がかなりの高額なのですからまあ当然の結果とも思われます。オルガン席のチケットを持っていた私はホールの方に「今日はオルガン席は閉めるので1列目の11番目に座るように」と言われました。で、1列目の11番目というのはほとんどソリストの真ん前。それはもうドキドキしてしまいました。明日からは最前列を当てがわれたらもっと後ろの席に替えてもらうようにします・・・

 音があまりにも近く、また奏者のちょっとした仕草や心の動きも手に取るように分かる場所だったため、演奏全体としての印象は逆に薄くなってしまいましたが、庄司さんが非常に強い心を持って演奏に臨まれていることは痛いほど伝わってきました。その気迫が凄くて、この、男性からの人気が非常に高いヴァイオリニストをかぶりつきで見るという気恥ずかしさもすっかり忘れて、演奏が始まってからはまばたきも出来ずに引き込まれてしまいました。

 アンコールのレーガーはおそらく作品113aの中の1曲ではないかと思いますが、このジャンルについては情けないほど無知なため確実なことは分かりません。

 後半、ヴァーレク氏の「悲愴」は予想通り即物的なアプローチでした。あの曲の出だしをあれほど素っ気なく、そして大振りで振り出す指揮者を私は今までに見たことがありませんがやはりヴァーレク氏はそうでなくてはいけません! 第4楽章もあいまいな表現を避けるためかかなり細かく振り分けていらっしゃいました。途中振りながらご立腹されているように見えた瞬間も何度かあり、オーケストラの方々はたまらなかったかもしれませんが、聴衆の立場からするとそんな正直さもヴァーレク氏の魅力の一つです。今日も期待に違わぬパフォーマンスに立ち会えて満足でした。

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