Diary


9/19

今日聴いたコンサート@ルドルフィヌム ドヴォルザーク・ホール

チェコ・フィルハーモニー管弦楽団特別演奏会
マーラー:交響曲第7番 初演100周年記念コンサート

(これを書いている現在、プログラムが手許にないため、もし演奏会名称に誤りがあった場合はご容赦ください。後日確認し、間違いがあれば修正致します。)

指揮:イルジー・ビェロフラーヴェク

 マーラー:交響曲第7番 ホ短調 「夜の歌」


 今からちょうど百年前の今日、マーラー自身の指揮するチェコ・フィルハーモニー管弦楽団によって、マーラーの交響曲第7番が初演されました (但し、演奏会場はプラハではありますがルドルフィヌムではありませんでした) 。それから100年、本家本元の威信をかけて(?)、今日のコンサートは開かれました。1日のみの公演ということもあり、客席はほとんど空席なしで熱気があふれていました。実際演奏中もいつものようにざわざわしたりすることなく、集中力のある良い雰囲気だったと思います。

 マーラーの交響曲の中でも特に複雑な作品であるこの交響曲は、ビェロフラーヴェク氏に最も向いているマーラーの交響曲でもあるのではと思います。今日も神がかり的な指揮法の巧さで、楽譜に書かれた細かいことまで丹念に音化しながら、音楽の横の流れも失わない、極めて模範的な解釈を示してくださいました。個人的には特に第一楽章は圧巻だったと思います。

 そのビェロフラーヴェク氏を受けるオーケストラのほうもベスト・フォームで、演奏会の性質からして当然ではありますが、非常にモチヴェーションの高い見事な演奏だったと思います。ここ数日、何人の方々から、今月上旬にチェコ・フィルがマンフレッド・ホーネック氏と演奏したマーラーの「復活」がとても素晴らしい演奏だったという話を伺いましたが、どうやら今シーズンはかなり好調なスタートを切っているようです。

 カウベルを鳴らす打楽器の方々、ヴァイオリン奏者とヴィオラ奏者のマンドリンとギターへの持ち替えなど、視覚的にも面白いことがいくつかありました。

 演奏終了後、スタンディング・オヴェーションの中、ビェロフラーヴェク氏はあくまで控えめに振舞ってオーケストラを立てていました。常に音楽とオーケストラが映えるように尽くす氏の仕事ぶりを、今回も非常に美しく感じました。それは、自分にとっての一つの理想でもあります。

 さて、昨日到着の3人の知人たちとは今日はゲネプロもコンサートも楽しみましたが、さらに昼間はヴィシェフラドにも出かけてドヴォルザーク、スメタナ、チャペックなど有名人のお墓参りもしてきました。充実した一日でした。

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