第二次予選。課題曲のミサ曲から指定された部分を、まずお昼頃、15分間オーケストラ (と言っても小編成の弦楽合奏です) のみでリハーサル、そして夕方再び15分間、同じ部分を今度は合唱・声楽ソリストと共にリハーサルする、という日程でした。
会場は雰囲気のとても良い、残響豊富な中規模の教会で、思わずコンクールの事務局の方に「写真を撮ってもいいですか?」と訊いてしまうところでしたが何とか自制しました (前の受験者の演奏中でしたので・・・) 。合唱団は地元の子どもたちとおじさんたち (??) という雰囲気で、私はとても楽しかったです。田舎の音楽教師を一日無料体験、みたいな感じで。結果はシビアに出てくるものとは思います (次の発表で20人から8人に減らされます) が、それはともかく今日はなかなか日本では出来ない経験ができたので満足でした。
夜は他の参加者たちと共に、トレントからは電車で15分ほどのロヴェレートに演奏会を聴きに出かけました。セミ・ファイナルの課題曲を、セミ・ファイナルで実際に演奏するオーケストラで、かつ今回のコンクールの芸術監督 (おそらく審査委員長を意味するものと思われます) の指揮で聴ける機会でしたので、21時開演という遅い時間だったにもかかわらず足を運んだわけです。
今日聴いたコンサート@サラ・フィラルモニカ (Sala Filarmonica) (ロヴェレート)
第21回ロヴェレート国際モーツァルト・フェスティバル
オーケストラ「J. フトゥーラ」
指揮:マウリツィオ・ディーニ・チアッチ
語り:ダニロ・ファラヴェッリ
ソプラノ:エリザベス・ガルニエ (ブリテン)
ヘルツ夫人:フロリアーナ・フォルネッリ
ジルバークラング嬢:マリア・マトヴェーヴァ
フォーゲルザング氏:エルヴィス・ファントン
ブッフ:ヴェルトゥール・トグノーニ
ブリテン:イリュミナシオン 作品18
モーツァルト:歌劇「劇場支配人」 KV 486 (演奏会形式上演)
アンコール/モーツァルト:歌劇「劇場支配人」 KV 486 序曲
オーケストラはプログラムによれば、2006年に創立された18歳から30歳までのメンバーによって構成されている団体ということ。確かに見た目も半ばユース・オーケストラみたいな雰囲気で楽しかったです。
ブリテンはまずファラヴェッリ氏が最初の半分の曲の詩のイタリア語訳を朗読してから演奏が開始され、後半に入る前にまた氏が残り半分の曲の訳を朗読する、というスタイルでした。ソプラノのガルニエさんは情熱的かつリリックな歌唱で、ピアーズやボストリッジのCDを聴き慣れた私には新鮮に感じました。
後半の「劇場支配人」は、歌い手は純粋に歌唱するだけで、劇の進行については全てファラヴェッリさんが演じていました (彼が劇場支配人役、という設定で) 。彼の熱演にもかかわらず、私には時間的にこの一人芝居がかなり長く感じたのですが、果たしてイタリア人の聴衆にとってはどうだったのでしょうか? 演奏自体はエネルギーにあふれたもので充実感がありました。