Diary


5/29

 休日です! 諸々デスクワークはたまっていますが今日だけは休ませてください! 今日は自分の住んでいる街を出ることもなくゆっくりと過ごしました。


 さて、18日の日記に書いたとおり、4月からの5月中旬までのことを簡単に振り返ります。まずは17日にあった日本IBM管弦楽団のことを書かなくてはいけません。私にとっては2年弱ぶりのアマチュアのオーケストラとの演奏会でして、今思うと最初の頃は私の勘も鈍っていた感じがありましたが、演奏会が近づくにつれてぐぐぐっと、楽しくご一緒させていただくことができました。企業のオーケストラということで練習時間も限られていますが、その範囲ぎりぎりを使って非常に熱心に練習を積むオーケストラでした。実は本番前日、当初午後からの練習を指揮者のわがままで朝の10時半開始に変更させていただいたのですが、特に反対されるようなこともなかったばかりか、コンサートマスターの方が仰った言葉には少々驚きました〜「それじゃあ、ヴァイオリンパートは9時45分集合で」〜!!

 このオーケストラの運営は非常にしっかりしています。ただ、個人的には組織・運営がしっかりしているオーケストラというのは逆に警戒してしまうのです。そういった団体で、逆に運営に関してフレキシビリティが欠けていたり、私には不必要と思われるプライドが高かったり〜組織がしっかりしていることと音楽が立派に演奏できることは、必ずしも関係があるわけではありません〜、指揮者やソリストへの接し方が少々事務的だったり、といったことをこれまでには少々経験したことがありますので。

 ところが、日本IBM管弦楽団の運営方の人々というのは、必要事項は決して落とさないうえにフレキシビリティもあるし、何でもざっくばらんに相談ができる頭の柔らかい方々で私はとても助けられました。理想的な運営状態、あるいは運営陣ではないでしょうか。

 また今回の演奏会の当たりはソリストの遠藤真理さんで、オーストリアで勉強され、しかも室内楽奏者として高名なハーゲンさんに師事されたからか、とにかく形式感と和声感がしっかりしていて、音楽に強い説得力がありました。オーケストラの部分も含めて音楽的なイマジネーションも豊富で、リハーサルでも物怖じせずどんどん私たちに色々なアイデアを投げかけてくださいました。今回、私は意識して音楽をかなり彼女寄りに作るようにしたつもりでしたし、リハーサルでも彼女が出来るだけ遠慮なく物が言えるような雰囲気作りに努めたつもりですが、彼女の豊かな音楽性と素直な人間性を心から信頼してのことです。ぜひまた共演させていただける機会があるように私も精進したいですね。

 ほかのアマチュアのオーケストラにも出かけています。最近の日記にも書きましたが仙台市民交響楽団に8回目の客演でベートーヴェンの「第九」を演奏します。初回の練習の時には夜の10時半からという遅い時間からなのに20人もの団員の方々が歓迎会を開いてくださって感激でした。

 その「第九」の合唱を担当するのが、佐々木正利先生率いるところの仙台宗教音楽合唱団で、一回練習に伺いましたが、非常に優秀な団体で練習もいきなり突き詰めてやることができました。何より佐々木先生が普段ごまかしのない丁寧で正しい指導をされていることが感じられるのが好ましかったです。

 東京では新日本交響楽団のメンデルスゾーン「エリア」の練習を3回担当しました。本番を振るのは私ではありませんが、なかなか勉強する機会のある曲ではないので良い経験になりました。新日響の指揮者は原則毎回変わるのですが、どういうわけか今秋、来春と2回続けて指揮させていただくことになっています。2001年からお付き合いがありますが、ここ数年はぐんぐん演奏レベルをあげてきていてなかなか頼もしいものがあります。練習が終われば私とはかなり人懐っこい関係を築いている団体でもあり、先日はいつもの居酒屋でお誕生日ケーキを準備してくれたりもしました。全く予想していなかったのでびっくりしましたが嬉しかったです。

 かつて務めていた聖徳大学に復職して、オペラ実習の授業を担当しています。2年お休みしたら、知っている生徒が3分の1になっていました。最初の日の試聴会では48人の生徒全員の歌声を聴きました。授業は朝の9時から45分の食事休憩をはさんで16時10分まで。出勤時はラッシュアワーのさなかで壮絶ですし、長い時間の授業は体力的にも大変ですが真剣に教えています。

 それと群馬交響楽団の移動音楽教室の指揮のお仕事も再び始めています。先日は草津温泉のあたりまで行きましたが、温泉街の入口を横目で見ながら終演後すぐに高崎まで戻らなければいけなかったのはかなり悔しいものがありました (笑) 。子供たちに音楽を届ける大切なお仕事で、群響の移動音楽教室は歴史も長く、古い映画「ここに泉あり」でもその様子が描かれています。

 私生活 (!?) ではとにかく引っ越し。1年7ヶ月ぶりに自分の荷物を段ボールから出しました。自分の所有物に囲まれて生活するというのは実に気持ちのいいもので、今この文章をこうして書いているデスクトップのパソコンや机をはじめとして、自分のモノたちが愛しくて仕方がない、という感じが特に最初の数日間はありました。ただ未だ部屋は部分的にカオス状態でして、まだこれから本棚、CD棚、チェストなどを買わないといけません。7月には整理が終わるかなあとというのんびりしたペースです。今はまっているのは実は掃除。埃撲滅をモットーに出来るだけ毎日掃除をしています。仕事が午後からならば朝から2時間くらい家中雑巾をかけます。おかげで今のところ家は清潔 (なはず) 。一体いつまで続くでしょうか。


BGM:グレツキ:主を信ずるものは幸いなり 作品38
  ジョン・ネルソン指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、プラハ・フィルハーモニー合唱団ほか
                                  (Decca / argo、1992年録音)

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