Diary


6/10

 昨日同様、今日もまた早起きをして松戸へ。9時から16時15分まで聖徳大学のオペラ実習の授業。7月の試験に備えて立ち稽古 (演技付きの稽古) に既に突入しており、4部屋に別れた教室はどこでも終日熱を帯びてきています。今日私が担当したのは「コジ・ファン・トゥッテ」「ラ・チェネレントラ」「リゴレット」から。


 授業が終わってから、新幹線で郡山へ。便利なもので19時頃には到着しました。何故郡山へ行ったかというと、実はプラハに住んでいた時の大家さん夫妻が室内楽のお仕事で来日されていて、今日しかお会いできるタイミングがなかったからです。大家さん夫妻を私にご紹介してくださったピアニストの方も彼らのツアーにちょうどご同行されているところだったので、まさに今日は唯一にして絶好の機会でした。
 
 最初は大人数での宴会にお邪魔して、そのあと大家さん夫妻と3人で一時間ほど。夫人は初来日でしたが、かなり日本が気に入られたようで、楽しそうでした。食事の席だったこともありますが、とにかく日本食がファンタスティック!とのこと。ホテルの従業員が英語をほとんど話せないことに驚きつつも、人々の温かさにも感激してくださっているようで、とても嬉しく思いました。そういえば3人で行った大衆食堂 (そのトラディショナル?な雰囲気を大家さん夫妻が気に入ってしまい、通いつめているとのこと・・・) では、マスターからサービスの料理が出てきたりもしていました。お店の方々の感じもとても良く、同じ日本人の私も、北の人間の温かさに触れて良い時間を過ごすことが出来ました。

 私がプラハで住んでいた部屋も、ようやく次に住む方が決まったようです。そのほか、最近のプラハやチェコ・フィルの様子などを伺って、改めて時の動いていることを感じました。

 何と夫妻はすばらしいお土産を私に持ってきてくれていました。それは私がプラハで探していたもののどうしても手に入れられなかった本で、スヴァトプルク・チェフの「ブロウチェク氏の15世紀への旅」、1946年出版の版です! わざわざ古書店ネットワークを利用して入手してくださったのこと、しかも1948年 (チェコが共産主義国家になった年) 以前の出版物は人気が高くて入手が難しいのだそうです。それにひきかえ私が持っていったものといえば、胡麻だれとか扇子とか、そんなものばかりで・・・

 上記の本は題名からも解るとおり、古いチェコ語が使われている部分も多くてチェコ人ですら読むのが難しいところがあるそうなので、私が理解できるはずもないのですが、この作品を原作としてヤナーチェクがオペラを書いているので、その参考にしたいと思っています。

 最終の新幹線で帰京して、1時頃、やっと自分の家に着きました。


BGM:ドラガタキス:アンティーク
       ロレンダ・ラモウ (Pf.)      (2007年録音、Naxos)

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