私が常任指揮者を務めております千葉県のプロのオーケストラ、ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉では、この度、大地震により甚大な被害を受けたハイチとチリの復興を支援するため、チャリティーコンサートを急遽開催することとなりました。
大井剛史&新生ニューフィル千葉 特別演奏会
ハイチ・チリ大地震支援 チャリティーコンサート
4月22日 (木) 午後7時開演 (午後6時開場)
千葉県文化会館 大ホール
ヴァイオリン:長尾 春花
指揮:大井 剛史
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 作品67 「運命」
入場料:2,000円 (全席自由)
(高校生以下及び65歳以上の方は1,000円)
[入場料は義援金として日本赤十字社を通じて全額寄付されます]
詳細については、ニューフィル千葉ホームページ
http://homepage2.nifty.com/NPOC/
をご覧いただくか、
ニューフィル千葉事務局
電話番号:043-222-4231
までお問い合わせ下さい (月〜金曜、9時〜18時) 。
今年に入ってたて続けに起こった、ハイチとチリの大きな地震。同じ地震国である日本に住む者として他人事ではないという思いはありました。そして、チリの地震の影響で発生した津波が千葉県にも到達しているとの報道を見た時、千葉のオーケストラに関わる者としてますますその思いを強くし、何か力になれることはないかと考え始めました。
その思いをニューフィル千葉の楽団員の方々にお話したところ、強い共感をいただき、音楽家としての立場から社会に貢献したいとの思いもあり、チャリティーコンサートを開催し、そのコンサートでお客様からいただいた入場料をハイチとチリの復興への義援金として寄付しようということになりました。
ところで、コンサートの開催には多額の資金が必要なものです。折角の意義あるコンサート、お客様からいただいたありがたいお金とあたたかい思いのほとんどが、経費として泡のように消えてしまっては全く意味がありません・・・
また、もし自分が寄付をする立場だったらと考えた時、自分の寄付するお金は全て寄付先に役立てて欲しいと、当然ながら思いました。
そこで、今回のコンサートについては、お客様からいただく入場料の全額をそのまま寄付させていただく形をとることにしました。
そのためには、コンサートにかかる経費を出来る限り押さえ込む必要があります。その上で、どうしても発生する経費については、企業及び個人のスポンサーシップによって補っていくことを考えました。
周囲の人の中には、私に「それは無理だ」と言う人があったのも事実です。
しかし、まず、ニューフィル千葉の楽団員の皆さんが、私のアイデアを理解してくださり、今回のコンサートについては全く無報酬で演奏することに賛成してくださいました。
これに勇気を得た私は、ニューフィル千葉のホームグラウンドである千葉県文化会館の空き状況とオーケストラのスケジュール、それから自分のスケジュールを検討し、4月22日であればコンサートの開催が可能であることを確認すると、事務局の方々と共に、ほとんどアポイントメントもなく、文化会館を管理・運営している千葉県文化振興財団の理事長のところへ駆け込み、コンサートの主旨をご説明させていただき、ホールを無料で使わせていただきたいとお願いしました。
無茶苦茶な話であることは分かっていましたし、今回のことでチャリティーコンサートなら無料でホールが使用できるということになってしまえば、今後文化振興財団に多大なご迷惑をおかけすることになることも理解はしていました。にもかかわらず文化振興財団は検討を重ねてくださり、今回については特別に、新しい指揮者と新しい楽団員 (3月にオーディションを行い、6名増員となりました) が加わった新生ニューフィル千葉を応援するという意味合いを込めて、このコンサートをニューフィル千葉と文化振興財団の共催として開催してくださるという最高の結論を、数日のうちに出してくださいました。
これによりコンサートの実現はにわかに現実味を帯びました。これと並行して事務局サイドでは千葉県庁の各所との調整を進めてくださり、私たちオーケストラの理事長でもある森田健作知事のご理解も得られ、最終的に開催が決定となりました。
楽団員の皆さんは、私たちだけでは足りないパートの演奏者〜いつもの私たちの仲間であるわけですが〜へのお声がけに熱心に動いてくださいました。全くの無報酬であるにもかかわらず、皆さんこのコンサートの主旨に賛同してくださり、実際には1日半でほぼ全員が集まってしまいました。現時点で、当初計画していた編成を少々上回っているような状態です。
私の方では、ソリストを依頼する作業を。この件ではジャパン・アーツのマネージャーの方が奔走してくださり大きな力になってくださいました。嬉しいことに、過去にニューフィル千葉との共演歴もある長尾春花さんがご出演を快諾してくださいました。もちろん彼女も今回は特別に無報酬でご出演してくださいます。
事務局の方々も様々な協力先を見つけてくださいました。3万部に及ぶチラシの印刷を、ある印刷会社は無料で請け負って下さいました。ヤマハミュージック東京千葉店はチケットの販売を、複数の新聞販売店はチラシの折り込みを、それぞれ手数料無料にて行ってくださることになりました。当日、開場時間直前までリハーサルをする私たちのために、スタッフを含めた70名前後の全員分のお弁当を無料でご提供くださるというお弁当屋さんも現れました。何と素晴らしいことでしょうか!
メディア関係も。新聞各社は千葉日報の第一面をはじめとしてそれぞれ良い形で記事にしてくださるお骨折りをしてくださっています。NHK千葉放送局はラジオでの宣伝を、千葉テレビはテレビでの宣伝を、快くお申し出くださいました。
今、千葉県の持つ潜在的なエネルギーの大きさを、ひしひしと感じているところです。
あとは大勢のお客様にお集りいただくのみです。千葉県文化会館の大ホールは1790席のキャパシティがあります。単純計算で、1000人お客様がご来場されれば200万円の、1500人なら300万円のお金が集まります。この額は決して少ないものではありません。どうぞ私たちと一緒になって、千葉からハイチとチリに、愛のメッセージを送ろうではありませんか!
お一人でも多くのお客様に、このコンサートにいらっしゃっていただけますことを、心より願っております。