Diary


6/6

 ごぶさたになってしまいました・・・ 5月後半はエネルギーを要する本番が続き、精神的にも体力的にも限界では・・・と思われるところまでいきましたが倒れたりすることもなく無事に6月を迎えられております。5月中は寒暖の差も激しく過ごしづらかったですが6月になって大分安定してきましたね。


 さて前回の日記が5月14日で終わっていますが、そのあと何をしていたかといいますと、まず15日は1年ぶりに一橋大学管弦楽団の指導 (チャイコフスキーの交響曲第5番) 。なんだかさらに上手になりましたね、一橋オケ。頼もしい限りです。

 16日は13時-22時でル スコアール管弦楽団の練習 (マルティヌーとマーラーの交響曲第1番) 。長時間練習には慣れている私ですが、最後のほうはさすがにきつかったですね。でも、団員のみなさんも私もダレることなく有意義な練習が出来たと思います。演奏会が楽しみです。

 17日は作陽の授業。バルトークの管弦楽のための協奏曲を紐解く練習をしました。18日と19日はニューフィル千葉の音楽鑑賞教室で柏市内の学校を訪れました。おかげさまで良い反応をいただいています。これからもさらに音楽が面白いと思ってもらえるような工夫をしていきたいと思います。19日の夜は那須塩原にて那須フィルの合奏。そしてそのまま北上して山形泊。

 20日は山響と仙台国際音楽コンクールのオーケストラ練習をして仙台に移動、21日から24日までヴァイオリン部門の予選の伴奏をしました。課題曲はモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3・4・5番の3曲。1日6人×2日間で計12人の伴奏を受け持ちました。リハーサルも長時間に及びますし、同じ曲を色々な方と合わせますので、頭がこんがらならないようにしなければいけません。私はこの仕事のためにリニアPCMレコーダーを購入、リハーサルを録音させていただき、本番の日の早朝にそれを聴いて全員のテンポやニュアンスを確認、変な間違いや勘違いが起きないように気をつけました。今回、山響と仙台フィルがそれぞれ2つに分かれ、指揮者も4人がかりで分担しましたがそれでも大変で、各所から「しんどいー」の声が上がっていました。それでも、それぞれ素晴らしいものを持っているたくさんのソリストたちと共演でき、実に様々な音楽的エッセンスを享受することが出来てこちらもとても勉強になりましたし、何より楽しかったです。それに、久しぶりにお会いする旧知の3人の指揮者の方々と一緒に食事をしたり、雑談をしたりできたのも嬉しいものでした。指揮者はなかなか一同に会しませんので。

 ところでヴァイオリン部門は昨日 (6月5日) 結果が出ましたね。予選で私たちのチームと共演したクララ ユミ・カンさんが見事優勝しました。4月にニューフィル千葉と共演した長尾春花さんも第3位に入賞されています。

 25日は本来武満徹作曲賞の打ち合わせだったのですが、この疲労状態では絶対に月末まで乗り切れないと思い、無理を申し上げて打ち合わせを一日遅らせていただきました。よって自宅にて譜読み。24時間中15時間くらいは読んでいたと思います・・・

 26日は日本人2人の作曲者と打ち合わせ。作品のイメージが分かるとぐっと作品が読みやすくなります。夜は那須フィルの練習。

 27日、朝9時からスロヴァキアのスレザークさん、ブラジルのトスカーノさんとの打ち合わせ、そしていよいよ午後からは東京フィルの皆さんと練習開始でした。4曲の作品の中には非常に難しい部分もあるのですが、東京フィルくらいのクオリティを持ったオーケストラだと初回でほとんど通ってしまうんですよね・・・ すごいんですよ。4人の作曲者たちもリハーサル直前は皆さんスーパーナーヴァスな顔つきでしたがリハーサル後は大分安心されていたようでした。夜はコンサートホールでトリスタン・ミュライユさんの個展を聴きました。野平一郎さんの指揮する新日本フィルの演奏。壮絶な音響に一日中浸って頭はちょっと&")$&%!=?な感じになりましたけど、と同時にものすごくクリエイティブなことをしているという実感が持ててワクワクした一日でもありました。

 28日と29日も引き続き武満徹作曲賞のリハーサル。東京フィルの演奏自体は既に余裕さえ感じられる程でしたので作曲家のリクエストに応える時間を出来るだけ持つようにしました。

 30日はゲネプロと本番。NHK (FM) の収録もありましたし、公平な審査のためにどの曲も最良のクオリティで演奏してあげたいとの思いもあり、失敗は許されないぞと相当緊張しましたが、東京フィルが本当に素晴らしくて集中力のある演奏が出来たのではと思います。4人の作曲者もオーケストラの演奏の質とリハーサル期間中の協力的な体制にはとても喜んでくださっていたようでした。レセプションでホッと一息。夜は山形に移動。

 31日、酒田市で山形交響楽団のスクールコンサートを2公演。その後帰京。24時間で1000km以上運転しました!

 6月に入って、1日は久々のお休み。30日の本番が今年の山場だったので、もうあとは楽になるぞー!と思いきや、今月は音楽鑑賞教室 (スクールコンサート) を中心に本番日が17日間もあり、来月初旬も8日までの一週間強のうち5日間が本番日であることに気付きました。うーん。でもお仕事がたくさんあることは嬉しいことです。やっと髪を切って、夜はファビオ・ルイジさん指揮ウィーン交響楽団の演奏会を聴きに行きました。ピアノの河村尚子さんの意味深い音楽の運びに心から癒されました・・・ 彼女の弾くピアノのように指揮できたら、といつも思っています。

 2日ニューフィル千葉と船橋市で音楽鑑賞教室を2公演、そして夜は那須フィルの分奏。弦楽器は素晴らしい先生との出会いがありました。3日午前中は原稿書き、午後から名古屋に赴いて後輩指揮者とあれこれ話をしたあと、愛知県芸術劇場でエサ=ペッカ・サロネンさん指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏会を聴きました。私は近年サロネン氏とフィルハーモニア管のファンになりつつあり、しかも今日はヒラリー・ハーンさん (節操がないように思われますが、私は彼女のファンでもあります) がチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を弾くとなれば、絶対に聞き逃せないのですが、この日以外は自分のスケジュールと合わなかったので今回は思い切って名古屋遠征をすることにしたのです。色々な発見があってわざわざ来た甲斐のあった演奏会でした。詳細を書きたいところですがキリがないので諦めます・・・

 4日千葉市内でニューフィル千葉の音楽鑑賞教室を2公演、ニューフィル千葉は以前より雰囲気が明るくなりましたし、演奏にもエネルギーを感じます。今後かなり面白いことになってくるのでは、と思いますのでぜひご注目ください。夕方は事務局にてミーティング。

 5日、軽井沢にて休暇。お目当てだった古書店が無くなっていて焦りましたが、聞き込み調査の結果無事に移転先を探し当てることが出来一安心。戦前戦中、あるいは終戦後間もない頃の演奏会のプログラムやレコードカタログなど数点を購入。あとはアウトレットモールにて夏休みの宿題にとレゴブロックを、子供たちをはねのけながら買いました・・・

 そして今日はル スコアール管弦楽団の練習です。演奏会の一週間前、テンションの高い練習が出来ることでしょう。さあ頑張らなくては。

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