昼食時と夕食時に外出したほかは、ひたすら部屋で段ボールに荷物を詰め続けました。食器を包んで、テーブルを解体し、パソコンを箱に入れて、オーディオの配線を解くと、もう夜中の2時を過ぎていました。
荷詰めのBGMを兼ねて、大切なDATテープの音源をいくつかCD-Rにコピーしたのですが、「1987年度全日本吹奏楽コンクール課題曲参考演奏」のテープも久しぶりに聴きました。当時中学1年生で、熱心な吹奏楽部員だった私は、この演奏を毎日5回は聴いていました。
課題曲Aの「風紋」が流れ始めると、心がタイムスリップして、当時これを聴いていた自分の部屋や学校の音楽室の光景、当時自分が考えていたこと、音楽にのめりこみ始めたあの頃の自分の感覚、などが一瞬にして自分の中に蘇ってきました。
最近は荷物を整理しているので、中学生の時に自分が書き込んだ (吹奏楽の曲の) スコアを見ることが何度かあったのですが、びっくりしたのは、時には自分の振ったこと (部活では、副指揮者みたいな役割をやっていました) のない曲でも、フレーズがどこに向かうのか、リズムの処理、テンポのアゴーギグ、曲想のイメージなどについて事細かに書き込まれていたことでした。思い返してみると、曲に対する思い入れの強さゆえに、どうしても書かずにはいられなかったのだと思います。
あの頃持っていた、演奏する曲に対する強い愛情、全ての音符に対しての思い入れを、今の私が変わらず持ち続けているかを考えると、ちょっぴり切なくなってしまいました。
あの頃の自分の音楽に対する純粋さを理想とすべく、懐かしい音源はしっかり i tunes から i pod に入れました。