Diary


8/18

 一橋大学管弦楽団のOBオーケストラである、水星交響楽団 (水響) の演奏会を聴きに川崎に行ってきました。一橋大学管弦楽団関係者として緩いつながりはずっとありながら、演奏会を聴衆として純粋に聴きに出掛けるのは実に初めてのことでした (10年程前に、チェレスタ弾きとしてのっていた頃、「降り番」で客席にまわったことはありましたが) 。


 水星交響楽団第38回定期演奏会
            @ミューザ川崎シンフォニーホール

  モーツァルト:歌劇「魔笛」 KV 620 序曲
  コダーイ:組曲「ハーリ・ヤーノシュ」
   ツィンバロン:崎村 潤子
  ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 作品98
  アンコール/ホルスト:ミリタリー・バンドのための組曲
                第1番 変ホ長調 作品28-1
                      第3曲「行進曲」

   指揮:齊藤 栄一


 数多い知人たちの生きの良い演奏を聴くのはもうそれだけで楽しいものですが、真剣に耳を傾ければ、水響と齊藤さんの20年以上に渡る強い結びつきを感じざるを得ない演奏会でした。演奏には破綻の起きそうな時がなかったわけではないように感じましたが、それが一定の枠を出てしまわないうちにすっと元に戻るのは、今回の場合はオーケストラの指揮者への強い信頼があるからのように思いました。言い換えれば、緊急時の齊藤さんの対処の仕方に、オーケストラは吸い付くようによく集まっていました。

 逆に、齊藤さんご自身も、私の知っている10年ほど前に比べて、よりオーケストラに任せて指揮されているように感じました。やはり年月が、齊藤さんのオーケストラへの信頼を増させたのだと思います。

 水響の性格を一言で言い表すならば、私の感覚では「大人のお祭り集団」なのですが、齊藤さんがパッと高い位置で振られた時に、「よしきた!」と水響が賑やかな音色に変わるのがとても楽しかったです。

 もはや、アマチュア・オーケストラで (いや、プロでも) 、20年以上、一つのオーケストラと一人の指揮者が関係を保ち続けているという、その状態自体がとても貴重な時代です。いつまでも、この良い関係が続きますように。

 ところで、私の見間違いでなければ、齊藤さんのタキシードのポケット・チーフ、プログラムの前半が赤で後半が白だったような気がして、くううおしゃれ!と感じ入っておりましたが、そのことをご本人にお話するのを忘れたのはちょっぴり悔いが残りました。

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