今日は楽譜と引っ越し関係の買い出しで午前中から外出しました。楽譜屋を数店巡って、ここに書くのも恥ずかしい量と額の楽譜を手に入れましたが、本日最大の収穫は、数年ぶりに行った楽譜・楽書の古書専門の古賀書店で、ドヴォルザーク研究の神様オタカル・ショウレック・著、渡 鏡子・訳の「ドヴォルジャーク」を期せずして手に入れたことでした。修士論文を書いた際に、図書館で借りて参考にして以来の出会いです。
私が最近買い急いでいるのは、新しい版が出てきている曲の古い版のスコアです。大抵のものは何らかの形で持っているのですが、ここのところ、ミニチュア・スコアや中型スコアでのライブラリーを構築しようと、少しづつ買い直しているのです。
例えば、ここのところ、ブライトコプフ=音友のベートーヴェンの交響曲は楽譜屋では欠番が多くなってきました。もちろん全曲持っているのですが、まっさらのものがもう1セット欲しいと思っているところです。
シベリウスの交響曲も、2番のミニチュアがいつの間にか新版になっていて、旧版のミニチュアが手に入らなくなりましたし、ニールセンもどんどん新しくなっていてやばいです。全曲旧版のミニチュアで揃えたいのですが、3番や5番はミニチュアでも1万円するので、今日はかなり迷った挙げ句買うのを止めました。
ブージーは最近、ミニチュアを減らして、あの緑色の大型スコアに有名な曲を移行して販売しているのですが、何曲かが合冊になっているのはドーヴァー版みたいで品が良くありません。しかも知らない間に「展覧会の絵」が新版になっています。旧版を、出来たらミニチュアで欲しいところなのですが (ボロボロになったため数年前に処分してしまったので) 、せめて大型を手に入れたいと思っています (バラバラになってしまったものなら持っているのですが) 。バルトークのオケコン、1993年の改訂以前の版をコピー以外で入手するのはほとんど不可能です。話は少しずれますがシューマンの旧版もドーヴァー版以外では難しい。
そう、ブージーと言えば、バーンスタインの現行の楽譜は、ある指揮者によれば非常に問題が多いそうです。例えば「ウェスト・サイド・ストーリー」の「シンフォニック・ダンス」には3つの版があって、2つ目の版が最も良いそうなんですが・・・ 私は1つ目の版は目にすることが出来たのですが、どうしても2つ目 (1つ目のミス・プリントを修正した版) を見ることが出来ませんでした。この1つ目と3つ目の版の違いに比べたら、ハース版とノヴァーク版の違いなんて些細なものです。「キャンディード」序曲も状況は似ています。
コープランドの3番にも2つの版があります。初版は第4楽章の最後のほうが少しだけ長いのです。確かレナード・スラットキンがN響と演奏した時には初版だったのでは? (記憶違いだったら申し訳ありません) 。
ウニヴェルザール社もしれっと版を変えます。ベルクとバルトークは予断を許しません。しかも、旧版だけとってみても問題があります。「中国の不思議な役人」、ミニチュアと大型では中身が違います。どうしてこんなことになるのでしょう? ベルクの「ルル」、中型スコアと、パート譜をレンタルした時についてくるスコアも中身が違いました。それから、現在新校訂版を刊行中のマーラーだって、1世代前のマーラー協会版を見たいという人だっているはずです。例えば4番は現在版が新しくなっていて、それまで使われてきたスコアは現在入手できません。旧マーラー協会版はウニヴェルザールのミニチュアで見れると思いきや、あのミニチュアと、大型スコアは中身がやはり別のものなのです。
思いつくままに書いてすいません。そんなこともあって、私は最近旧版の入手に力を入れているのです。新版さえあれば良い、とは必ずしも言えない時も多いので。
さて、古賀書店では、買いませんでしたが矢代秋雄の交響曲の初刷の大型スコアがありました。指揮者らしき人の書き込みが少しありましたが誰の楽譜だったんでしょう?
夕方にじっくり譜読みをしてから、ついに荷造りをスタートしました。スタート・ダッシュでダンボール10箱ほど、夢中になって詰めていたらあっという間にこの時間です。色々荷物をひっくり返していたら、部屋がまるで人間の住処とは思えないような荒れようになってしまいました・・・