近々、外山雄三先生作曲の「管弦楽のためのラプソディ」を演奏するので、6種類ほどの演奏を聴き比べてみたのですが (自分の演奏は除きます) 、昨年発売された岩城宏之先生指揮NHK交響楽団の演奏が最も熱っぽくて素晴らしいです。1961年録音ということで、現行の改訂版とはもちろん、長い間使われてきた音楽之友社版と比較しても違う点がいくつもあり、そういった意味でも貴重な録音と言えます。
今日聴いたコンサート@ルドルフィヌム ドヴォルザーク・ホール
BBCスコッティッシュ交響楽団演奏会
指揮:イラン・ヴォルコフ
ヴァイオリン:ジェームズ・エーネス
エルガー:序曲「コケイン」 作品40
ウォルトン:ヴァイオリン協奏曲
アンコール/J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番 ハ長調
BWV 1005 第4楽章
ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 作品55 「英雄」
アンコール/スメタナ:ポルカ (詳細不明)
昨日のケルン放響は5〜6割の入りだったのに、今日は結構お客さんが入っていて、やっぱりいまひとつ人気の基準が分かりません。ちなみに先日、指揮者が前から見えるオルガン席が閉鎖されている話を書きましたが、お客が少ないからではなく、何がしかのテクニカル上の理由のようです。今日は1階中程の席をあてがわれました。っていうか、今日は「コケイン」でオルガンがあったのだから、売っちゃいかんだろ・・・
本日は指揮者・ソリスト共に私より年下、1976年生まれというところが私的なポイントでした。ヴォルコフ氏はどちらかというと地味目の指揮振りでしたが、楽譜など見なくても難物だということは分かるウォルトンの協奏曲を、終始淡々と合わせきってしまうことろなど、これはやはりとんでもない才能だなあという感じが致しました。
ただ、CDで予習をして、エーネス氏の見事な演奏をもってしても、聴くには多少忍耐を必要としました。ウォルトンは数曲の管弦楽曲はMy favoriteなのですが、それ以外はまだあまりよく知らないので、ガーシュウィンの影響下に書かれたと本日のプログラムに書かれていた「弦楽四重奏曲」くらいから入ってみますかね (数年前、Chandosのウォルトン全集を買ったのですが、まだほとんど聴いていません・・・) 。
BBCスコッティシュ交響楽団はとてもとても雰囲気の良いオーケストラです。表情も明るいのですが、本日の好ポイントは、弦楽器の多くの方たちが、ソリストや指揮者を讃えるとき、弓を振るのではなくて、楽器と弓を置いて、手を高く上げて拍手をされていたことでした。何気ないことだけど新鮮でした。
後半の「英雄」は、冒頭から非ドイツ系のオーケストラだなあ、という感じ (ppan!! みたいな響き)。ヴォルコフ氏のアプローチはスタイリッシュなテンポをとりながらも、ピリオド奏法等の導入は一切なし。私の席ではアンサンブルが乱れてしまっているように感じたところがいささか多かったのが残念ですが、演奏終了後の楽員の指揮者の讃えようを見た感じでは、このコンビはなかなかうまくいっているようでした。
アンコールはヴォルコフ氏が曲名を言ってくださったのですが、聞ききれず。