Diary


9/17

 朝、昨日お世話になった夫妻のお宅に忘れ物を取りに行かせていただきました。1分でおいとまするつもりが、結局朝食をご一緒させていただいてしまいました。お二人のあたたかさには感涙です。


 午後、チェコ語のレッスン。1対1というのは全く気が緩められませんね。90分ノンストップでどどどーっと叩き込まれ。あとには山のような宿題と覚えるべき単語が残りました、とさ。

 夜は、スタヴォフスケー劇場に「フィガロの結婚」を観に行きました。「チケット売場はどこですか?」くらいはチェコ語で言えるのですが、そこで私にチェコ語が通じると思ったチケットもぎりのお姉さんに「あなたの席はそこの左の階段を1番上まで昇ってうんぬんかんぬん」と言われるとまだちょっとついていけません。悔しいなあ。

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 チケット売場で値段を聴くと、「1000コルナ (約6000円) と30コルナ (約180円) の席があるよ」と言うので、あまりの価格差に思わず何かの間違いかと訊き直してしまいました。もちろん30コルナの席を買いました! ちなみにこの劇場で売っている水が25コルナ、プログラムが95コルナ。

 
 今日観た公演@スタヴォフスケー劇場

 モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」 KV 492

  指揮:ヤン・ハルペツキー
  演出:ヨセフ・プルーデク

  フィガロ:イルジー・スルジェンコ
  スザンナ:マリエ・ファイトヴァー
  アルマヴィーヴァ伯爵:ロマン・ヤナール
  伯爵夫人:イヴェタ・イルジーコヴァー
  ケルビーノ:カテジナ・ヤロフツォヴァー
  バルトロ:イルジー・カレンドフスキー
  アントニオ:アレシュ・ヘンドリヒ
  マルチェリーナ:エリシュカ・ワイソヴァー
  バジリオ:ヴラディミール・ドレジャル
  バルバリーナ:アルジュビェタ・ポラーチュコヴァー
  クルツィオ:ミロスラフ・ペリカーン
  2人の娘:ガブリエラ・ブラーツドヴァー
       ビェラ・ポレドノヴァー
  
  プラハ国民劇場管弦楽団・合唱団・バレエ団
  (合唱指揮:パヴェル・ヴァニェク)
  チェンバロ:ダヴィド:シュヴェツ

 この劇場については知っている人も少なくないと思いますが、「フィガロの結婚」のプラハ初演、「ドン・ジョヴァンニ」の世界初演が行われた由緒ある劇場です。現在はプラハ国民劇場がこの劇場での公演も担当しています。

 今日観た演出は、お客様 (観光客中心でしょう) を楽しませることを重視した演出、というところなのでしょうか。第1幕第1曲から、布団の上でフィガロとスザンナが足を絡めちゃったり。第2幕では伯爵夫人がケルビーノのブーツとズボンを無理矢理脱がせちゃったり。第3幕の幕が上がると伯爵がゴルフをしているなんて! 序曲のあと、スコアに と書いてあるにもかかわらず、拍手を受けて、しかも指揮者がオーケストラを立たせたのにもびっくり仰天しました。

 各種仕掛けの中で私が一番楽しめたのは、第2幕でケルビーノが窓から飛び降りた時、鶏が騒ぎ立てるような鳥の声のSE (効果音) が流れたところか。さすがに笑いました。

 演奏については、マクロなアンサンブルという雰囲気。正直、複数の歌手がおちる、かぶる、とぶ、忘れる (プロンプターの声が・・・歌詞をほとんど全部言っていたところもありました) といった状態でございました。

 ただ、日本人の公演のほとんどにある、必死感、熱演感 (決して嫌いではないです) 皆無の、リラックスした公演の雰囲気を味わえたのは良かったかな・・・

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