Diary


9/15

 いまひとつ、有り余る時間を有効に使うことに慣れていません。東京にいた時、いつも忙しくしていた心の癖が抜けないのです。それではいけないと、今日はゆっくりしようとしたら、今度は本当にだらだらしてしまいました。緩やかな気持ちを持ちながら、勉強もちゃんとするという心のサイクルを、再び東京に戻って仕事に集中するまでに獲得することは、この期間の私の目標の1つです。


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 この地でしか得られないことを得ることと同じくらい、この期間でしか出来ないことをすることも私の中では大切なことです。チェコ語をはじめとする語学もそうですが、ベーシックな西洋文学に一通り目を通すこともしておきたいし、指揮することはないけれど重要である音楽作品に通じること〜J.S.バッハの作品、ベートーヴェンのソナタと弦楽四重奏曲、ワーグナーのオペラなど〜もじっくり出来るのは今しかないと思っています。月並みな高校生から周りの見えない大学生になり、20歳からはひたすら目の前のことに追われ続けた私には、本来学生時代にしておくべきこれらのことが抜け落ちているのです。

 さて、知人お勧めの「タラツコ」に行って参りました。ありました!ブラームスの交響曲にチャイコフスキーの交響曲!やっと楽譜屋らしい楽譜屋に出会えました。感謝!!

 スークの交響詩「人生の実り」作品34の大型スコア、バッハのロ短調ミサをドーヴァーのミニチュアで、それからイギリス・ドヴォルザーク協会発行の小冊子「ドヴォルザーク全作品カタログ」 (これは便利な本です。初版の出版社や出版年も載っているし) を購入しました。書いた順番で本が小さくそして薄くなっていくのですが、書いた順番で値段が高くなっていきます! (スークの大型がドーヴァーのミニチュアより安いことにご注目!)

 夜はすごく楽しみにしていた演奏会があってルドルフィヌムに出かけたのですが・・・

 
 今日聴くはずだったコンサート@ルドルフィヌム ドヴォルザーク・ホール

 シュターツカペレ・ドレスデン演奏会

 指揮:ファビオ・ルイージ
 ピアノ:エレーヌ・グリモー

  ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73
                         「皇帝」
  R.シュトラウス:アルプス交響曲 作品64


 ホールに入るとロビー (狭いです) に人がごったがえしています。いつものようにプログラムを買おうとすると、 と言われてしまいました。そんなことあるのかなと思って別の売場にいくと、プログラムはあるのに売ってくれません。何か否定文をべらべら話しているのは分かるのですが、意味が分からず。今度はクロークに行ってコートを預けようとすると、クロークの人が「コンサートはないよ!」 (さすがにこのくらいだったら理解できます) と教えてくれました。なに〜! と思ってチケットもぎりのおじさまに理由を伺うと「分かりません」。偶然近くにいらっしゃった日本人観光客の方々と話をしながらホールのモニターを見ていると、嗚呼、ピアノが奈落にしまわれてゆく・・・

 最終的には係員が出て来て「ピアノの楽器のコンディションが良くないので今日の演奏会は中止です!」と、あり得ないような理由を告げて終了。ボックス・オフィスに延々並んで払い戻しをして撤収、となりました。

 観光客の方々は、かわいそうだったな。チケット代の払い戻しは出来たけれど、旅行会社経由で入手したとかで、手数料がかかっていたようでしたので。

 やるせない一夜となりました。というか、キャンセルの真の原因は何だ!!

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