朝から昨日と同じオーケストラのリハーサルにもぐりこんでいたのですが、さすがに目をつけられてしまい、途中で追い出されてしまいました。無念・・・ まったく紹介なき状態ではなかったのですが、アンオフィシャルであることは確かなので仕方ありません。
書店で、ロシアの出版社のものでベルリオーズ「イタリアのハロルド」、それからスークの交響曲と「古いチェコのコラール <聖ヴァーツラフ> によるメディテーション」、フィビヒの交響詩「ザーボイ、スラヴォイとルディェク」のスコアを入手。ベルリオーズは古楽譜だということもありますが (もっとも、その他のものもチェコスロヴァキア時代のものなので十分古いです) 、4冊でも2000円ちょっとと安いです。
こちらの楽譜屋事情はかなり貧弱であると言わざるを得ません。今日行った店にもう一軒、
夕方、大家さん夫妻がアイロンと「レモスカ」という圧力釜みたいなものを部屋に持ってきてくれました。この「レモスカ」に油を敷いて、肉でも野菜でもポテトでも何でも入れて火をつければ料理は出来上がると超おすすめされました。早速明日にでも試してみたいと思います。
インターネット接続も試みたのですが、認証がうまくいきませんでした。おそらく私の部屋が電話番号を持っていないことが問題なのですが、そこから手続きをするとなるとまだまだ開通までには時間がかかりそうです。夕方、ネットカフェに行きました。
夜コンサートに行くのはもう日課になっていますが、プラハは他の大都市のように毎日いくつもの演奏会が行われている、というような街ではありません。ただし、今月は今日から「プラハの秋」という音楽祭が始まります。10/1までの期間、国内外の様々なオーケストラがルドルフィヌムにやってきて演奏会を毎日行います。
今日聴いたコンサート@ルドルフィヌム ドヴォルザーク・ホール
ウィーン放送交響楽団演奏会
指揮:ベルトラン・ド・ビリー
ヴィオラ:イトカ・ホスプロヴァー
チェコ共和国国歌
オーストリア連邦共和国国歌
ノヴァーク:交響詩「タトラ山にて」 作品26
フロスマン:「ミケランジェロの石」
〜ヴィオラとオーケストラのための協奏曲
スーク:幻想的スケルツォ 作品25
スーク:組曲「おとぎ話」 作品16
アンコール/ブラームス:ハンガリー舞曲 第1番 ト短調
アンコール/ヨハン・シュトラウス II:
ポルカ「雷鳴と電光」 作品324
開幕コンサートということもあり思いっきりローカルなプログラムですが、こんなプログラムでも興行が成り立つとはさすがチェコ!と思いきや、思いっきり空席が目立っていました。5~6割の入りといったところか。今日はスメタナ・ホールでプラハ交響楽団の演奏会もあったようなのでそちらに人が流れたのかもしれません。
プログラムには書いてありませんでしたが最初にチェコ国歌が演奏されました。「プラハの春」のオープニングで客席の人々が起立する、あの曲です。今日も全員起立でした。おかしかったのは続いて演奏されたオーストリア国歌は多くの人が曲の半ばほどになるまでこの曲が国歌であると気付かなかったことです。途中からみんなわらわらと起立し始めました。
ウィーン放送交響楽団は、ローカル色はあまりない代わりに、大変機能的なオーケストラであると感じました。また、響きの重心が低く、今日はオルガン席、つまり、指揮者と相対する方向のバルコニーから聴いていたのですが、低音がホールの木材を伝ってビンビン響いてきました。今夜はヴァイオリンは対向配置ながらチェロバスが上手にきている並び方でした。
一曲目のノヴァークは簡単に言えば「霧のかかった山に嵐が来て・・・」という風景ものですが、後期ロマン派色、もっと言えばリヒャルト・シュトラウス色の極めて強い (1902年作曲、1907年改訂) 作品です。パワー・オーケストラでないと聴かせることの難しい曲ではないかと思いますが、ウィーン放送交響楽団はこの曲を一気に聴かせてしまう実力を発揮してくれました。アンチェル指揮チェコ・フィルによる演奏のCDがカレル・アンチェル・エディションのVolume 28 (Supraphon) から出ているので、ご興味ある方は一度どうぞ。
フロスマンは1970年の作品。変わった音使いはなく、単音に始まりニ長調で終わる作品です。ヴィオラのソリストは若い女性。線の太いしっかりした音を聴かせてくれました。
後半のスーク2作品は、作品の持つ力か、前半2曲よりも演奏に推進力があったように感じました。「おとぎ話」は4楽章形式の楽曲ですが、もとが劇音楽なので、各楽章の性格付けがとてもしっかりしています。ポルカ風の第2楽章などはアンコール・ピースにもなりそうな親しみやすさと楽しさを持っていました。また、第1楽章の始めの方にかなり長めのヴァイオリン・ソロがあるのですが、ウィーン放送響のコンサートミストレスはめちゃくちゃ上手かつ美音でびっくりしました。しかも大変にこやかなブロンドの美人。さぞかしご当地ではファンが多いのでは。ちなみにセカンド・ヴァイオリンのトップの女性の方はおそらく日本人の方ではとお見受けしました。
アンコールのブラームスは重いけれどしなやかな演奏。シュトラウスは、ウィーン・フィルの演奏とは全く違った、ごつごつぐんぐんな演奏で、これはこれでとても楽しめました。
ビリー氏はエネルギッシュではあるけれど力が抜けており、素晴らしいテンポ感、迷いのない表現、明るそうなキャラクターで、彼のような指揮者だったらさぞオーケストラのプレーヤーの方々は楽しいのではと思いました。