Diary


10/20

 今日と明日はオーケストラはお休み。22日にはまた日本へ戻らなければならないのでこの2日間で何とか体調を整えたいところです。なかなか風邪が治らない原因の1つに、部屋の中がかなり乾燥していることがあるように思います。起きている時は水分を良く摂っていますが、寝ている時が問題。何か対策を講じなければ。


 ここのところ、しばしお世話になっていたIMSLP (International Music Score Library Project / http://imslp.org/ ) というサイトが、Universal Edition との法的な問題を原因として突然閉鎖されてしまい、いささかショックを受けています。しかしながらこのサイト上のフォーラムでは多くの人たちの応援メッセージや意見が寄せられていて、これがさらに大きな輪を作れば、ネット上の楽譜の著作権や public domain の定義について何か新しい動きが起こるのではないかという気もしています。楽譜というものはもちろん買うのが最も良いのでしょうが、一方、絶版や旧版のものなど買えない楽譜 (例えば、IMSLPにはベルクのヴァイオリン協奏曲の旧版スコアがアップされていました。ただしこれが著作権的に問題があるかどうかは私の興味外です) というのも多数存在しますし、物理的な問題 (経済的な問題ではなく) から楽譜を簡単には手にすることが出来ない人たちもいます。そのような状況に対してネット上での pdf ファイルでの配布というのは無料有料にかかわらず非常に大きな可能性だと思うので、時間はかかるでしょうがこの分野での明るい解決を期待するばかりです。

 ベートーヴェンのピアノ・ソナタに一日一曲づつ目と耳を通しているのですが、とりあえずはインディアナ大学 (?) のサイト
(http://www.dlib.indiana.edu/variations/scores/) に逃げ込んでいます。

 日中はずっと本や楽譜などを読んでいましたが、ずっと部屋に引きこもっているのも罪悪感があり、夜は国立歌劇場に出かけました。

599004936_209.jpg    今日観た公演@プラハ国立歌劇場

 ヴェルディ:歌劇「リゴレット」

 指揮:ミヒャエル・ケルプト
 演出:カレル・イェルネク

 マントヴァ公爵:イーゴル・ヤン
 リゴレット:リヒャルト・ハーン
 ジルダ:ダグマル・ヴァニュカートヴァー
 スパラフチーレ:イルジー・カレンドフスキー
 マッダレーナ:エヴァ・ガラヨヴァー
 ジョヴァンナ:ルチエ・ヒルスヘロヴァー
 モンテローネ伯爵:ユリイ・クルグロフ
 マルッロ:ヴァーツラフ・シベラ
 ボルサ:ルボミール・ハヴラーク
 チェプラーノ伯爵:マティェイ・ハディマ
 チェプラーノ伯爵夫人:ヴィェラ・リケーロヴァー
 小姓:ルチエ・ゼイファルトヴァー

 プラハ国民歌劇場管弦楽団・合唱団・バレエ団
 (合唱指揮:トゥヴルトゥコ・カルロヴィチ)


 今回は指揮者がバッチリ見える席を確保したので、逆にあまり舞台は見ませんでしたが、美術などは簡単に言ってしまえばシンプル&オーソドックスなものでした。
 
 指揮者の方は何よりも几帳面に演奏することを心掛けていらっしゃるように思いました。

 残念ながら公演全体には感銘を受けることができず、いくつかのシーンでは心が冷えきってしまいました。今日は観光客のグループが来ていたようで、だからかは知りませんが聴衆のマナーも最悪。音が出てから静寂まで2分もかかる。幕が開いてから入場してくる人たちが何人も (しかも他のお客を立たせて平然と自分の席に向かう) 。公演中に平気でフラッシュをたいて撮影をする (公演を通じておそらく20〜30回はフラッシュが光りました。舞台が開いている間だけでです) 。

 ただし、そんな中でもマントヴァ公爵役を歌ったヤン氏の、抜けのよい素晴らしい歌声を聴けたことはかろうじて収穫でした。

 オーケストラに関しては、1幕のバンダは全てオケ中で演奏されていました。コントラバスの奏者は始めは4人いたのですが、第1幕の途中で1人退出してあとは終演まで3人でした。体調でも悪くなったのでしょうか・・・ 舞台裏の合唱はすべてPAされてスピーカーから聞こえてきましたが、ただエコーをつけて拡声されるだけ。もう少し雰囲気を出してもらえないものなのでしょうか。

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