今日聴いたコンサート@ルドルフィヌム ドヴォルザーク・ホール
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会
(EFチクルス第1回 / 第1日)
指揮:レオシュ・スワロフスキー
語り:ソニャ・チェルヴェナー
オルドジハ・F・コルテ:交響劇「フルートの物語」
ヴィクトル・ウルマン (reconst. ベルンハルト・ウルフ):
旗手クリストフ・リルケの愛と死
ラフマニノフ:交響曲第3番 イ短調 作品44
朝は公開ゲネプロ (年配の方を中心に結構客席が埋まります) 、夜が本番でした。スワロフスキーさんは「スヴァーロフスキー」と表記した方が正しいのでしょうが、とりあえずは日本の音楽業界の表記に準じます。
コルテさんは1926年生まれのチェコの作曲家で、今日もお元気なご様子で会場にいらしていました。尤も作品は1949年から1958年にかけて書かれたものということですから、既に半世紀も前の作品になりますね。マタチッチ指揮チェコ・フィルのCDも出ている作品です。
ウルマンのこの語り付きの作品はオリジナルとして残っているものはピアノ伴奏によるもので、フィッシャー=ディースカウの録音があります。作曲家は1898年生まれのユダヤ系チェコ人。1944年にピアノ版でのこの作品の初演が行われたその3週間後、彼はアウシュヴィッツでガス室に送られてしまいます。原語はドイツ語ですが今回はチェコ語で語られました。
今回語りをつとめられたチェルヴェナーさん (1925年生まれ!) はもともとはオペラ歌手の方。このいささか難解な作品を何と暗譜で語りました! 意味など分からなくても迫真の表現には圧倒されてしまいました。
とはいえ、この前半2曲は私には少々とっつきにくく感じました。どちらの曲も灰色の色彩で埋めつくされているように感じてしまって若干気が滅入りました。
後半のラフマニノフは、アメリカ的華やかさ (初演がストコフスキーとフィラデルフィア管弦楽団です) とは一線を画す演奏。第3楽章で思わずボロディンの2番の終楽章を思い出してしまうような。どんなにフォルテになっても耳に優しいチェコ・フィルのサウンドを楽しみました。
指揮のスワロフスキーさん (1961年生まれ) はノイマンのお弟子さんということですが、そう言われてみれば指揮ぶりがとても似ていました。指揮の図形、特に2拍子の1拍目がまっすぐ上から下というよりは少し右にそれる感じなところなどそっくりでした。ただし、スワロフスキーさんのほうがかなりエネルギッシュ (もっとも、ノイマン氏も若い頃はそうだったのでしょうが) で、その明るいお人柄も含めてオーケストラはかなり仕事がしやすいのではないかと思いました。
ちなみにスワロフスキーさん、来週はスロヴァキア・フィルと日本ツアーだそうです!