Diary


11/28

 午前中、東京芸術大学管弦楽研究部 (芸大フィルハーモニア) の練習を見学させていただきました。作曲家の学生の新曲とラフマニノフのピアノ協奏曲第3番。指揮は芸大時代の同門の先輩の三河正典さん。学生時代の先輩が指揮者 (講師) として指揮台に立たれているのを見るのは感慨深いものがありました。芸大オケは私が学生だった頃とは随分人が入れ替わり、平均年齢がぐっと下がっていました。


 練習後、東京音大の指揮科の学生も交えて先輩と昼食を共にしながら一時間半ほども音楽談義・人生談義。ためになるお話をたくさん伺いました。

 有楽町に出て航空券の予約。ちょっとしたミスもあったものの、JALのカウンターの方はとても丁寧に対応してくださりました。結局プラハに行く前にロンドンで5泊ほどすることにしました。さて何を見て、何を聴こうか!

 夕方、昼食を共にした東京音大の学生にさらにもう1人の同校の指揮科の学生を加えて喫茶店でお喋り。たとえ義理だとしてもこうして会いたいとわざわざ来てくれたりするのは嬉しいものです。

 夜は浜離宮朝日ホールへ、私が副指揮者として2年間、その後指揮者として5年間、その公演の成功に全精力を注いだオペラ団体「モーツァルト劇場」の公演を観に行きました。


 今日観た公演@浜離宮朝日ホール

 モーツァルト劇場が贈る・・・・・・ オッフェンバックで愉快な夜を!!

 総監督・訳詞・台本:高橋 英郎
 指揮・編曲:森口 真司
 演出:菅尾 友

 モーツァルト劇場室内楽団

  オッフェンバック:喜歌劇「りんご娘」 (日本初演、日本語上演)

   カトリーヌ:鵜木 絵里
   ギュスターヴ:小貫 岩夫
   ラバスタン:松井 康司

  オッフェンバック:喜歌劇「シュフルーリ氏のサロンコンサート」
                             (日本語上演)

   エルネスティーヌ:砂田 恵美
   バビラス:吉田 伸昭
   シュフルーリ:鹿又 透
   ペーターマン:高野 二郎
   バランタール氏:宇野 弘和
   バランタール婦人:齋藤 理都
   招待客:和泉 聰子、中川 遊子、栗原 光太郎、山田 充人


 どちらも小一時間、一幕ものの喜歌劇、というよりは元祖ミュージカルとでも言ったほうのが良いような楽しいお話と音楽。オッフェンバックの音楽はどちらの作品もセンス抜群ですが、特に「シュフルーリ」の方で出てくるロッシーニやヴェルディなどのパロディの部分は本当にそっくりに書かれていて心の中で爆笑ものでした。これはまたオッフェンバックがこれらイタリア・オペラの作曲家たちの作品をしっかりと研究していたという何よりの証拠でもありますね。

 マエストロの森口氏は以前に比べてかなりお痩せになっていたので最初はびっくりしました。然し乍ら指揮ぶりの見事さは相変わらずで、さらに今回はセンスの良いアレンジに唸りました。氏の隠れた才能発見。

 演出の菅尾さんもまだ20代後半なのに、見事に楽しめるステージを創り出していて感心しました。もう5年以上前から彼とは現場でご一緒してきただけに、その成長ぶりを嬉しく思いました。

 開演前は、自分がこの劇場の公演の客席に座っていることに違和感を覚えてしまっていましたが、いざ始まってしまうとそんなことは忘れて思い切り楽しんでしまいました。お客様の反応も上々のよう。今年も厳しい予算状況の中、何とか無事に公演が終了してホッとしました。ってもう辞めた私が言うのは変か。でも、やっぱり私は今でもモーツァルト劇場の一員でいるような気がしています。

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