数日前の日記で問題発生と書きましたが、実は先週金曜日、チェコ・フィルの事務局の方からお呼出しがかかり、行ってみると、「警察があなたに来いと言っているから、通訳をつけて行ってきてちょうだい。住所はここ、訪ねる人はこういう名前の人。あっ、金曜は休みだそうだから、今日はだめね。」と言われたのです。警察と言われればびびります。すぐ大家さん夫人にお電話をしてご相談、早速翌土曜日の午前中に行ったのですが、金曜が休みというのは土・日が休みなのは当然の上で、ということだったらしく、警察は閉まっていました。
週が開けて、私の方は日本のチェコ共和国大使館にお話を伺い、大家さん夫妻は警察と連絡をとってくださって、今日の朝7時にアポイントメントを入れてくださいました。というわけで、自宅前6時20分待ち合わせで行って参りました。もう大家さん夫妻には全く頭があがらないくらい感謝してます。これだけのことをしてくださるご夫婦もなかなか見つけられないと思います!
用件はヴィザ関係のことだということは分かりました。もちろんこちらで (日本でも!) 犯罪など犯してはいませんが、そう聞くと一安心です。どうも警察とはいっても入国管理局に呼ばれているようです。
まだ外は真っ暗な6時45分に警察着。ネットで知ってはいましたが、ここでなされる外国人登録 (?) の手続きのため、既に長蛇の列が出来ていました。朝5時くらいから行列が出来るそうです。マイナス数度の屋外にですよ・・・私は15分並んだだけでも、一時間以上寒気が抜けなかったのに・・・ 信じられません。
朝7時に警察が開いて、私たちは予約をしていたので問題なくすぐに担当の方とお話をすることができました (とは言っても、私は彼女のチェコ語を何一つ理解できませんでしたが) 。
簡潔に話の結論を書くと、つまりは私にはヴィザがおろせないというでした。担当の方には、ウィーンかブラティスラヴァでチェコのヴィザを申請できるから、ここではヴィザをおろせないけど、そっちの方で試みてみては? と。また驚いたことに、3ヶ月ごとに外国にでれば、ヴィザはいらないから、そうしてみたら? とも。入管の方がそういうサジェスチョンをされるとは。
私が広尾の大使館で提出した全ての書類をまさに目の前にして、その書類を提出するにあたってしてきたちょっとした苦労の積み重ねが全て泡になってしまうのを感じつつ、警察をあとにしました。
さてさてどうしようか、否、どうしようもないのか。
午前中はルドルフィヌムでリハーサルを見学させていただき、午後は部屋に帰ってきたのですがもう眠くてさすがに1時間ほど休みました。
夜は初めてのホールで初めてのオーケストラを聴きました。
今日聴いたコンサート@市民会館 スメタナ・ホール
プラハ交響楽団演奏会
指揮:リボル・ペシェク
アコーディオン:ラディスラフ・ホラーク
語り:マレク・エベン
アイヴズ:宵闇のセントラル・パーク
ピアソラ:3つのタンゴ
ブリテン:青少年のための管弦楽入門 作品34
ドヴォルザーク・ホールよりは収容人数が多いと思われ、「プラハの春」のオープニング・コンサートなどがここで行われるのもそのためだと思われます。ホールの音響はさすがにドヴォルザーク・ホールには敵わないものの、少し教会っぽい立ちのぼる雰囲気の響きはそう悪くはなかったです。ただし細部のディティールを聞こうと思えば難があるのは確かです。一階席の平土間はかなりスペースが大きく、総座席数の7〜8割はこの平土間にあるかと。今日はその平土間の後ろから3列目で聴きました。
チェコのオーケストラとしては何とも珍しいプログラムですが、総演奏時間が一時間ないのではないかという短い演奏会。休憩時間はありましたけど、いらないくらいでした。
来日公演も近いプラハ交響楽団は、特に弦楽器にはチェコ・フィルに共通した音の甘さと透明感 (特にコントラバス) を感じました。
アイヴズではオーケストラのテンポが二重になるところで、コンサートミストレスの方が立ち上がって弦楽器を弓で指揮し始めたのでちょっとびっくりしました。これはよくやるやり方なのでしょうか。ほとんど実演に接することがないので分かりません。
ピアソラはホールの響きのせいもあってか、あるいはオーケストレーションのせいか、弦楽器の響きが混沌としてしまって何だか良く分かりませんでした・・・ ただ、きわめて上品なヨーロピアン・ピアソラであったことは確かです。
ブリテン、始まってから気付きましたがナレーションは当然チェコ語でした。笑いも随分誘っていましたが楽器名プラスアルファくらいしか理解できなくて悔しい思いをしました。
プラハのオーケストラを縦横無尽に飛び回る感のあるペシェク氏は、今日も大きな流れを示しながらプレイヤーにはかなり自由にさせているように思いました。
楽しい演奏会でしたが、短い演奏会だったためか、若干聴き足りない感じ。部屋で夕食を作りながら、ネット・ラジオのBBC3の中から何か面白いものをと思って探していたら、先日私がロンドンで聴いたビェロフラーヴェク氏とBBC交響楽団の演奏会が見つかりました。私が生で聴いたバービカン・ホールはこれほど響きの豊かなホールではありませんでしたが (笑) 、オーケストラの熱いテンションなどはそのままです。クリスマス・イヴぐらいまでは聴けるのかな? 無料ですのでぜひちょっとでも聴いてみてください! (http://www.bbc.co.uk/radio3/ にアクセスし、そこから右中程にある <Listen Again> に。左上の <Listen to Radio 3> を押すと <BBC iPlayer> が開きます。右半分のリストはアルファベット順になっていますので、その中の <Performance on 3> の項目の3行目、曜日の略が書いてあるところの <Tue> をクリックでBBC響の演奏会に辿り着きます)
今日は日中でも霜がおりたままでした。マイナス5度です。じわじわと気温が下がってきてます。