Diary


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 日本ではお正月らしいことに殆ど興味がなかった私ですが、こうして生まれて初めて海外でお正月を迎えてみると、あの雰囲気が懐かしいですね。2日ともなれば、初売りセールなども盛んに行われ、街には活気があふれることでしょう。


 こちらでは所謂日本のような正月休みはなく、ほとんどのお店などが今日から再始動していると思いますが、私的にはスーパーに食料品を買いに出かけるくらいしか用事がなく、また面白そうな演奏会もなかったので、結局ほとんど一日中を部屋で過ごしました。

 読もうと思っていた楽譜や本、聴こうと思っていたCDやインターネット・ラジオ、観ようと思っていたDVD、結局は一日があっという間に過ぎ去ります。

 最近は室内楽も良く聴くようになりました。今日だけでもスコアを片手にベートーヴェンの弦楽四重奏曲第3番、ドヴォルザークの弦楽四重奏曲第1番 (先日ドレスデンでスコアを入手しました。大作です) 、ブラームスの弦楽六重奏曲第2番。このブラームスのスコア (オイレンブルク版) に、この曲の楽譜を送られた返事としてクララ・シューマンがブラームスに書いた手紙の文章が載っているのですが、第3楽章アダージョのスコア・リーディングが厳しいことを正直にブラームスに告白していて、ちょっとクララに親しみを覚えました。オリジナルはもちろんドイツ語ですが、私は英語で読んでいるので英語で引用してみます。

 <But the Adagio as a whole is not yet clear to me; reading the score, I cannot always quite imagine how it will sound.>

 こういうことを14歳年下の音楽家にさらっと書けるなんて、やはりそれだけクララはブラームスに気持ちを許していたっていうことなのではないでしょうか。

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