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 今日聴いたコンサート@ルドルフィヌム ドヴォルザーク・ホール

 プラハ放送交響楽団第81コンサート・シーズン 第5回定期演奏会

 指揮:スタニスラフ・ボグニア
 ピアノ:アントニオ・ディ・クリストファノ

 モーツァルト:歌劇「魔笛」 KV 620 序曲
 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73 「皇帝」
 アンコール/スクリャービン:左手のための2つの小品 作品9 第1曲:前奏曲 嬰ハ短調
 ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 作品68


 今日は午前中はプラハ放響の公開ゲネプロ、午後はチェコ・フィルのリハーサルを見学、夜はプラハ放響の演奏会と、かなりの時間ドヴォルザーク・ホールの中にいました。

 プラハ放送交響楽団は、チェコ・フィルとは全く違った、輪郭のはっきりとして渋みのある響きを持ったオーケストラで、私は結構好きです。お正月に放映された「のだめカンタービレ」の指揮者コンクールの場面にも登場していたのではないでしょうか? (日本に帰って早く見てみたい!)

 公開ゲネプロは朝9時半からと早いのに、9割以上も客席が埋まっていてびっくりしました。夜の演奏会よりお客さまが多かったりして・・・ 私の買ったこの公開ゲネプロのチケットは約200円ほどでしたので、チケットの安さのせいもあるのでしょうか。とはいえ夜の演奏会だって安い席は400円ほどです。

 ボグニアさん (1949年生まれ) の指揮ぶりはショルティとクーベリックとノイマンを足して3で割ったような・・・ってこれじゃ全然分かりませんね。見ていてこちらが微笑んでしまうくらい、とても楽しそうに振ってらっしゃいました。

 演奏は個人的には「魔笛」の冒頭が最も衝撃的でした。ちょっと暴力的なのではないかと思ったほど鋭角的な表現でしたので。特にトランペットの金属的でまっすぐな音は強烈でした。指揮者にとって悩みの種である16分音符も32分音符のように後ろにつめて演奏されて、ひたすらエッジの効いた表現を狙っているように思われました。

 ブラームスもかなり思い切った激しさを持つ演奏でした。ピアノの部分でも歌う場面では相当大きめのダイナミクスで演奏されていましたし (明らかにそう意図していると思われたところもありました) 、コーダのコラールの金管楽器の響きもひたすらストレートなものでした。そういえばコーダのピュー・アレグロに入る前の数小節でリタルダンドする演奏というのは初めて聴きました。

 おそらくは日本でオーソドックスと考えられているブラームスの解釈とは対極にある演奏だったとは思いますが、あまりに思い切りが良いので意外にも楽しめてしまったコンサートでした。生き生きとした演奏だったことも確かです。

 今年からプラハの公共交通料金のシステムが変わり、かなり値上がりしました。今までは15日間乗り放題で約1800円という切符を買っていましたが、今年からはその切符が廃止、5日間で3000円強という切符しかなくなってしまったので、お昼に駅で40分も並んで顔写真入りのクーポンというのを作りました。これなら一ヶ月乗り放題で3500円かかりません。ずいぶんダイナミックなシステムにしたもんだなと思います。要するに観光客からはたくさんお金を取ろう、ということでしょうかね。

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