Diary


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 午前中からオーケストラのリハーサルを見学させていただきました。今、我らが小林研一郎さんがいらしています。小林先生は私の師匠の師匠ですから、私は先生の孫弟子ということになるのですが、実はお目にかかったのはほとんど初めてです。温かくしていただいています。


 リハーサルの間、オーケストラの「牧神の午後の前奏曲」のスコアを見せていただきました。デュラン社のものではなく、初版のフロモン社のものです。スコアの1ページ目には、よく読めませんでしたが、・・・1904年・・・ヴァンサン・ダンディ・・・との書き込みがありました。ダンディはしばしばチェコ・フィルを振っていたようで、指揮者室にも署名入りの写真が飾ってあります。素晴らしいと思うのはこの歴史的とも言える楽譜が状態も良く、まだまだ現役であることです。ここではまさに歴史が生きているのだ、と感じました。

200801292042000.jpg 午後は市民会館に「ヨセフ・ラダ展」を見に行きました。ラダはチェコで最も有名なイラストレーターの1人であり、中でも「善良な兵士シュヴェイク」の挿絵は特に有名で・・・などと偉そうに書いていますが、自分が知っていたのはぎりぎりそのくらいの知識。今日の展覧会に行って初めて「ああ、この絵が!」と知った次第です。

 ラダは1887年に生まれて1957年に亡くなったのだから、激動の時代を生きた人と言って良いでしょう。でも、その作品は決して暗くありません。描かれた人物や動物たちはみなどれも人懐っこい表情をしていて、あたたかさがあり、何故か懐かしさがあって、古き良きプラハを想わせるものがありました。彼のイラストや絵画にももちろんですが、ラダその人にもちょっと興味がわきました。

 音楽に関係あるものでは、若きラファエル・クーベリックの後ろ姿 (残念!) を描いたものや、スメタナのオペラ「売られた花嫁」の舞台装置デザインなどがありました。

 私にラダの展覧会に行くことを勧めてくださった知人に感謝。その知人の分と、自分の分と、2冊の図録を抱えて部屋に戻りました。

 今日の夕食は、頂き物のカレーと味噌汁。ここのところカレーが食べたくてしょうがなかったので、もう涙がちょちょぎれるくらい美味しかったです!!

 良い日だった、かも。


389986.JPG今日のBGM: ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
         セルジュ・ボド指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
                      (1966年録音、Supraphon)

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