今日聴いたコンサート@ルドルフィヌム ドヴォルザーク・ホール
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 第112シーズン チェコ室内管弦楽団シリーズ 第5回定期演奏会
指揮:アンドレアス・セバスティアン・ワイザー
テノール:アレシュ・ブリスツェイン
ホルン:オンドジェイ・ヴラベツ
エルガー:弦楽セレナーデ ホ短調 作品20
ブリテン:テノール、ホルンと弦楽のためのセレナーデ 作品31
ヘンデル:合奏協奏曲集 作品6 第8番 ハ短調 HWV 326
ストラヴィンスキー:弦楽のためのニ調の協奏曲 (「バーゼル協奏曲」)
アンコール/ブリテン:シンプル・シンフォニー 作品4 第3楽章「感傷的なサラバンド」
組織としてのチェコ・フィル主催による一連の演奏会の一環ですが、この室内管弦楽団 (基本は弦楽合奏団のようです) のプレーヤーはチェコ・フィルの団員とは異なります。今日は弦楽合奏曲を中心にした、考え抜かれたセンスの良いプログラム。編成は5-5-4-3-2 (人) というこじんまりとしたものでしたが、それでもしっかりとホールに響くサウンドだったので楽しめました。
指揮のワイザーさんの的確なテンポと表現にはかなり見入りました。時折指揮ぶりがマゼールに似ているな・・・と思ったらマゼールのアシスタントを務められたとプログラムに書かれていました。
テノールのブリスツェインさんは輝かしい声をお持ちの素晴らしいテノールです。先日国立歌劇場で見た「キャンディード」でもタイトル・ロールを歌ってらっしゃいました。日本でも東京フィルの「カーチャ・カバノヴァー」などで招かれたことがあるようです。
ホルンのヴラベツさんはチェコ・フィルの首席奏者。1979年生まれなのでまだ20代です。彼が首席奏者になったのはなんと17歳の時でそれだけでもかなりの才能の持ち主ということが分かりますが、驚異的なのは首席を務めながら音楽院は指揮科を出て、既に昨年の「プラハの春」国際指揮者コンクールで第4位に入賞するなど、指揮者としても頭角を現してきていることです。ヨーロッパにはやはりこういう天才的な人間が時折いるものですね。
そんなわけで、今夜一番の聴きものはブリテンの「セレナーデ」でした。演奏者全員の美質が美しく溶け合って、ストイックともいえる作品のクールな美しさが際立っていました。
どうでもいいことですが、ある男性の弦楽器奏者がとても楽しそうに演奏していて、同じプルトの女性に「楽しいね!」と何度も寄り添うような姿勢で演奏していたのに、女性の方は全く我関せずな雰囲気だったのがなんだかかわいそうでした。
今日のBGM: ブリテン:テノール、ホルンと弦楽のためのセレナーデ
イアン・ボストリッジ (Ten.)、ラデク・バボラーク (Hrn.)
サー・サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(2005年録音、EMI Classics)