ここ数日は、劇場での稽古を生活の中心に置きつつ、何人かの知人と久しぶりにお会いしたりする時間も持てています。5日の夜には、半年振りに一橋大学管弦楽団の指導に行きました。来年に私が完全帰国するまでは、彼らだけが私の関わる唯一のアマチュアのオーケストラです。練習したのはシューマン「春」の第2楽章と、ハイドン「時計」の第1・第2楽章。新しい学年 (マネージ) の体制とは初顔合わせ。今年も熱心なメンバーが揃っているようです。音にも熱気がこもっていましたが、シューマンとハイドンはテンションだけでもっていくことが最も似合わない作曲家。自分なりにいくらかヒントを与えてみようと試みてみました。団員の皆さんはみな頭が良いし、このオーケストラにはしゃかりきに音を並べるよりはイマジネーションを大切にする伝統がありますから、きっと良い演奏会になることと思っています。練習後のいつもの店で食したもつ煮込みの旨さには涙が出るところでした。しかし、合宿前日だというのに宴会はかなり盛り上がっていました (前夜祭!?) 。
8日、ずっと少しずつ読んできた新約聖書を遂に読み終えました。これで旧約・新約ともに目を通し終えました。今度はギリシャ神話を読み解いていこうと思っています。西洋音楽に携わる者として、これら西洋文化の根幹となっているものに対する関心と知識を持っていないことなど許されるべきではないと、かつて酒を呑みながら私にきつく叱ってくださった、今は亡き佐藤功太郎先生のお言葉を、受け流したままではいられません。
音楽業界書なども何冊か読んでいます。金山茂人著「楽団長は短気ですけど、何か?」、末廣誠著「マエストロ・ペンのお茶にしませんか?」、佐野之彦著「N響80年全記録」の3冊はあっという間に読み終えました。今むさぼるように読んでいるのは、鈴木晶著「バレエへの招待」。バレエの歴史や代表的な作品の粗筋などがとてもよくまとめられていて非常に読みやすい本です。
読まなくてはいけない楽譜も机の上に積まれているし、聴きたいCDや見たいDVDも山ほどあります。そういえば昨夜はラフマニノフの交響曲第2番をアレンジした「ピアノ協奏曲第5番」というのを聴きました (Brilliant Classics) 。予想していた通りの展開も多くてニヤニヤしながら聴いてしまいました。その他ここ数日で聴いたものの中では、タワーレコードで何故かプッシュされていたジークフリート・クルツ指揮シュターツカペレ・ドレスデンのチャイコフスキーの5番の理想的なテンポ設定に大きく頷きました (Deutsche Schallplatten / Berlin Classics) 。
真面目に書き始めたのに、結局マニア話に終わってしまいましたね・・・
BGM: ヴェラチーニ:ヴァイオリン・ソナタ ホ短調
ローラ・ボベスコ (Vn.)、岩崎 淑 (Pf.) (1983年録音、TDK Core)