あいにくの雨。さすがに雨の中徒歩40分はきついので、タクシーで予選会場に行きました。タクシーの運転が荒いうえ、バスまでも急に横入りしてきたりするので、恐ろしいことこの上なかったです (帰り道のネフスキー大通りで事故っている車を見ましたが、当然だと思いました) 。ホテルから呼んだタクシーですが、料金もかなり高い印象。
私の出番は夜の8時過ぎ。私の前後は偶然アジア人が集中していて、シンガポール人〜中国人 (香港在住) 〜日本人〜日本人 (私) 〜韓国人という感じでした。
さあ自分の出番。まずはお約束、ロシア語で「こんばんは」とご挨拶。実はチェコ語と全く同じなんです。
1曲目はベートーヴェンの交響曲第1番第1楽章。あんまり丁寧にやったつもりはなかったのですが、それでも10分間で展開部の途中までしか行きませんでした。大体の指揮者はもっと先までやっていました。2カッコから始めようとした時、管楽器のパート譜には2カッコがなかったらしく、無駄に時間を喰ってしまったのは残念。
次はシベリウスの交響曲第2番第1楽章。本当はこちらの曲は少し通し気味にやろうと思ったのですが、その楽器しかないような部分で入りが分かっていないパートがあったりして、なかなか思うようにいかず。こちらも展開部の中盤で時間切れ。
こういった局面での自分の悪い癖なのですが、今日も結局自分をプレゼンテーションすることよりも、普通にオーケストラと練習をすることに時間を費やしてしまいました。実は今日こそはと思っていたのですが、終わってみればいつもと同じでした。
終わってからの感触は「こりゃあ、ダメだ」という感じ。結果的に、リハーサルが停滞した感じが残ったし、オーケストラから充実したサウンドを導き出しきれなかった憾みがありました。
がっかりしながら着替えて、残りの2人の指揮ぶりを見ました。私の次の韓国人の方はシベリウスの交響曲第1番を振っていましたが、私が振った2番同様、あまりオーケストラはシベリウスを弾き慣れてはいないよう。
ところがその次、本日のトリとしてロシア人の方が出てきてショスタコーヴィチの交響曲第1番第1楽章を振ると、まるで別のオーケストラのように楽曲に対する理解度を示しました。これにはたまげた。他の参加者に聞くと、ショスタコーヴィチの交響曲第6番第2楽章なども、ベートーヴェンやモーツァルトよりもはるかに正確に演奏できていたということ。さすがロシア(!?)、というか、ちょっとカルチャーショック。
終了後は日本人3人でイタリア料理店に。雨が止んでいたので徒歩で繰り出しました。ここで色々と楽しい話を伺って、少々気を取り直してホテルに戻りました。
いえいえ、楽しい話ばかりではありませんでした。あるオーケストラの地方自治体からの助成金がカットされることになったという噂も聞きました。真偽のほどは改めて確かめますが、つい先日もびわ湖ホールをどうするだという話があったばかりですし、ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉も千葉県との関係が非常に厳しいものになってきています。何ということだ。