Diary


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 今日聴いたコンサート@ルドルフィヌム ドヴォルザーク・ホール

 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会
                    (ABチクルス第8回 / 第2日)

 指揮:ジョナサン・ストックハンマー
 チェロ:トルルス・モルク

 カベラーチ:序曲第2番 作品17
 スホニュ:交響組曲「変容」
 プロコフィエフ:チェロと管弦楽のための交響的協奏曲 ホ短調 作品125
 アンコール/ (曲目不明、チェロ独奏)


 恥ずかしながら、今日になってやっとこのプログラムが楽しめるようになってきました。

 カベラーチの序曲はチェコスロヴァキア・ラジオの委嘱により1947年5月に初放送、演奏会での初演は同年12月にアンチェル指揮のチェコ・フィルによりなされているそうです。曲は約8分間、交響曲のスケルツォのようなテンポが一度も緩むことなくひたすら続きます。どちらかというとバーバリスティックな音楽と言うことができます。今日は私の耳が慣れたのか、オーケストラの演奏の精度が上がったのか、昨日よりも細かいディティールが鮮明に聴き取れたように思いました。

 アンチェルはカベラーチの作品を何曲か録音していますが、残念ながらこの作品は録音していないようですね。

 スホニュの「変容」は、1953年に完成された5楽章形式、約30分の作品ですが、第3曲と第5曲にかなりのウェイトが置かれていて、一度聴いたらかなりお腹いっぱいという感じになる作品です。基本的には調性音楽で、作風はムード音楽風に始まったかと思いきやストラヴィンスキー風になってみたりドビュッシー風かと思わせてみたり、かと思えば大いに旋律を歌い上げてみたり。

 以上お二人とも、どのような経歴を持った作曲家なのかはプログラムを見ても殆ど分からなかったのですが、ウィキペディアの日本語版にスホニュの項がありました (http://ja.wikipedia.org/wiki/エウゲン・スホニュ) 。この記事によると彼はスロヴァキア生まれの作曲家のようですね。しかし、恐るべしウィキペディア。

 後半のプロコフィエフの交響的変奏曲は高校生の時に初めて聴いて、当時全く理解できず、それ以降敬遠していた作品だったのですが、今回を通じてやっと楽しめるようになったという感じです。それだけでも収穫か。モルクさんは今日は多分アンコールをなさらないおつもりだったと思うのですが (カーテンコールの段取りが昨日と明らかに違ったので) 、あまりの聴衆の拍手に昨日とは違う曲をお弾きになられました。アンコールのあとは1階席の多くの人がスタンディング・オベーション。

 例のヴィザ関係の話ですが、大家さん夫人からメールが届いて、担当者と電話で話したところ、先方は大変に驚いて、私のことなど知らない、日本の大使館からなんて何の連絡ももらってない! と仰っているとのこと。まるで冗談のような話になってきました!


BGM:プロコフィエフ:チェロと管弦楽のための交響的協奏曲
    ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ (Vc.)
     クルト・ザンデルリンク指揮レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
                              (録音年不明、Multisonic)

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