今週のウィークデイはあっという間に過ぎ去ってしまった印象です。毎日オーケストラの練習を見せていただきながら、チェコ語のレッスンが2回。現状でも毎日2時間前後は予習・復習・単語などの暗記をしないとついていけないオツムのわたくしには今のところこの回数が限界といったところ。
そのほかに譜読みと読書。今週はソポクレスの「オイディプス王」を藤沢令夫さん訳の岩波文庫で。それから茂木健一郎さんの近著「すべては音楽から生まれる」を読み終えました。茂木さんの本の第一章「音楽は微笑む」は折に触れて読み返したい素敵な文章。
金曜の夜にチェコ・フィルのコンサート。
30日に聴いたコンサート@市民会館 スメタナ・ホール
第63回「プラハの春」音楽祭 オーケストラ・シリーズ
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団演奏会
指揮:ズデニェク・マーツァル
ソプラノ:デボラ・ポラスキ (ダグマル・ペツコヴァーの代役として)
ピアノ:ルドルフ・ブッフビンダー
シェーンベルク:モノドラマ「期待」 作品17
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 作品15
ドイツ・オーストリア系のプログラムですが、何がしかのチェコとのつながりを保ったプログラムで、ブッフビンダーさんは育ちはウィーンですが生まれはチェコとのこと、それからシェーンベルクの「期待」が初演されたのはここプラハであるということ (1924年、ツェムリンスキー指揮) のようです。
シェーンベルクは今回どうしてもスコアを見れずリハーサルでは???だったので、本番ではプログラムに載っているテキストに張り付いて聴いてみました。ポラスキさんは急な代役にもかかわらず素晴らしい歌唱でしたが、作品ゆえか、客席の反応は今ひとつ。演奏中にため息をついている人も私の周囲にはいましたっけ。オーケストラも見事に演奏したと思うのですが。初演以来40年以上プラハでは演奏されなかったこの作品を再演したのは、プログラムによればヴァーツラフ・ノイマン指揮のチェコ・フィル (歌唱はヘルガ・ピラルツィク) だったのこと (1967年) 。その時も今日と同じ、やはり「プラハの春」音楽祭における演奏会形式上演だったようです。
ブッフビンダーさんは余裕さえ感じる雰囲気で、確信のある表現を楽しみました。私にはかなり強めのタッチに感じましたが、この作品には合っていました。こちらは客席もかなり盛り上がりました。
演奏会後は部屋に戻ってまたチェコ語の勉強・・・ せめてこの週末は少しゆっくりした時間がとれると良いのですが!
BGM: ブラームス:ピアノ協奏曲第1番
クリストフ・カーゾン (Pf.)、ゲオルク・ショルティ指揮ロンドン交響楽団
(1962年録音、Decca)