今日聴いたコンサート@市民会館 スメタナ・ホール
第63回「プラハの春」音楽祭 オーケストラ・シリーズ
クロージング・コンサート
ブダペスト祝祭管弦楽団演奏会
指揮:イヴァン・フィッシャー
ピアノ:アンドラーシュ・シフ
ドヴォルザーク:伝説曲 作品59 第10番 変ロ短調
ドヴォルザーク:夜想曲 ロ長調 作品40
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集第1集 作品46 第5番 イ長調
ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」 (1919年版)
ドヴォルザーク:ピアノ協奏曲 ト短調 作品33
アンコール/スメタナ:3つの詩的なポルカ 作品8 第2番
アンコール/ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集第1集 作品46 第7番 ハ短調
大きなショックを受けた演奏会でした。イヴァン・フィッシャー氏のスコアの読みの深さと、その現実化の完成度の高さは私にとって理想そのものでした。今日の曲目の中、特に「火の鳥」は自分が取り組んだことのある作品だったのでかなり注意して聴きましたが、今夜ほどスコアに書かれたことを最大限に音化し、かつ表現と音色の掘り下げられた演奏を私はこれまで聴いたことがありません。
オーケストラも私にとっては究極の理想形であるとしか言いようがありません。今日はファースト・ヴァイオリンにかなり近い席で聴きましたが、まるで1人1人が見えない糸で繋がれているような一体感でした。全員が音楽に浸りきり、これほどまでにお互いを聴き合っている演奏をやはり私はこれまでに聴いたことがありません。まるで極上の手作りの伝統工芸品か何かを見るような感覚でした。
シフ氏のドヴォルザークも最高でした。彼はこの曲の自筆譜ファクシミリの出版に尽力したということは今日初めて知りました。
自分の心の中にあるものを文章にするのがここまで難しいと感じるのはかなり久しぶりです。細部でも色々と感心・感激したことはあるのですが、まともに書こうとすれば一週間以上は余裕でかかりそうなので、日記の範囲ではあきらめざるを得ません。
言葉にできないほどの強いものを今日の演奏会で私は与えられたと、せめて書くのが精一杯です。
BGM: ドヴォルザーク:伝説曲
イヴァン・フィッシャー指揮ブダペスト祝祭管弦楽団 (1999年録音、Philips)