Diary


9/17

今日聴いたコンサート@ルドルフィヌム ドヴォルザーク・ホール

「プラハの秋」音楽祭
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団演奏会

ピアノ:ポール・ルイス
指揮:ヴァシリー・ペトレンコ

ヘスキート:Graven Image
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 作品19
プロコフィエフ:交響曲第5番 変ロ長調 作品100


 朝から早速ルドルフィヌムにチェコ・フィルのリハーサルを見学に行きました。名古屋での演奏会のあと、慌てて帰ってきたのは19日に行われるマーラーの7番の演奏会のリハーサルを少しでも見たかったためです。

 しかしプラハは寒いです。電光掲示板の温度表示を見ると6度とかになっています。まるで冬です。たった半月でこんなにも寒くなってしまうとは・・・

 夕方部屋に戻り、夜はまたルドルフィヌムに出直しました。

 指揮者のヴァシリー・ペトレンコ氏は1976年生まれ。私たちの世代の最も注目すべき指揮者の一人で、前々から見てみたいと思っていた指揮者でした。サンクト・ペテルブルク育ちということもあってか(?)指揮ぶりがゲルギエフ氏に似ている気もしましたが、それはさておいてもオーラの強さ、眼光の鋭さ、そして各楽器のキューのために奏者を引き付けるそのタイミングの良さ、抜群のリズム感とテンポ感など並大抵ではなく想像以上の大物で圧倒されました。指揮の動きは決して大きいものではなく、オーケストラにまかせる時などは全く動きが止まってしまうことも非常にしばしばあるほどです。妙なストレスをオーケストラにかけることがないのでプロコフィエフの5番でも音色が濁ってしまうことがなく、常に瑞々しいサウンドで聴くことが出来ました。ダイナミックさは失わずにして、これだけコントロールされていて美しいプロコフィエフの5番は初めてです。

 ロイヤル・リヴァプール・フィルはイギリスのオーケストラ特有のニュートラルなサウンドを持っていましたが、暖かみがあって決して無個性だとは思いませんでした。1曲目の作曲者ヘスキートさんは若手の作曲家で今日は会場にいらしていました。ピアノのルイスさんも若手。新しい世代の台頭を全面に出した演奏会でした。

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