今日聴いたコンサート@ルドルフィヌム ドヴォルザーク・ホール
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 第113シーズン Rチクルス 第1回定期演奏会
アルトゥール・ピサロ ピアノ・リサイタル
J.S.バッハ:半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV 903
モーツァルト:パイジェッロの歌劇「哲学者気取り」のアリア「主に幸いあれ」による6つの変奏曲
ヘ長調 KV 398 (416a)
ヴォジーシェク:ピアノ・ソナタ 変ロ短調 作品20
シューマン:森の情景 作品82
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 作品58
アンコール/ショパン:3つのワルツ 作品64 第1曲 変ニ長調 「子犬のワルツ」
アンコール/ショパン:12の練習曲 作品25 第1曲 変イ長調 「エオリアン・ハープ」
アンコール/ (曲目不明)
この「Rチクルス」というのは、ピアノ・リサイタルのシリーズです。ピサロ氏については名前は知っていましたが演奏を聴いたことがありませんでしたので楽しみにでかけました。
それぞれ作曲家に合った演奏のスタイル、そのフレーズ、その和音に合った音色の選択、左手の小指から右手の小指に至るその瞬間の縦の響きの中でのバランス作りなど、音楽の全ての要素が適切で考え抜かれていて、まるでピサロ氏を音の彫刻家であるように感じました。それらの作業全てを個の作業で納得いくまで仕上げることのできるピアニストというものを少しうらやましく思ったりもしました。実際にやってみるとその孤独な作業は厳しく辛いものであるのかもしれませんけれど。
ヴォジーシェクのソナタは初めて聴きました。やたら転調が多いベートーヴェンの初期のソナタという感じで面白かったです。特に第1楽章の展開部はどれだけたくさん転調できるかに命をかけて書かれている (!?) ように思いました。それから、第1楽章と第2楽章のモティーフが8度〜2度という動きで統一されていたような感じがしたので第3楽章でどうなるか期待したのですが、全く関連づけられていなかったようで少々肩すかしでした・・・
ヴォジーシェクは交響曲も書いているのでそのうち読んでみたいと思います。モーツァルトが亡くなった年に生まれたチェコの作曲家で、のちにウィーンに出ていきましたが、こちらでは大切にされている人物です。