Diary


3/12

今日聴いたコンサート@市民会館 スメタナ・ホール

プラハ交響楽団 オーケストラ・シリーズD 第5回演奏会

 指揮:イルジー・コウト
 ツェムリンスキー弦楽四重奏団

 ドヴォルザーク:交響詩「野鳩」 作品110
 マルティヌー:弦楽四重奏と管弦楽のための協奏曲 H. 207
 チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 作品74 「悲愴」


 プラハ交響楽団の演奏会と、それから初めて朝の公開ゲネプロに行きました。今日はチェコ・フィルの演奏会もあったのですが、こちらをとったのはひとえにコウトさんの指揮でドヴォルザークの交響詩「野鳩」が演奏されるためであります。これでこちらにいる間にドヴォルザークのエルベンによる交響詩は4曲とも全て生で耳にすることができました。これらの作品はいつ聴いても胸を抉られる、素晴らしい作品群です。題材がチェコ人には馴染みがあっても日本人には全く馴染みがないということはありますが、これらの作品は絶対に日本でももっと演奏される価値のある作品でありましょうし、これらの作品が日本でも広く知られるようになれば、ドヴォルザークの日本でのイメージというのもまた少し変わっていくでしょう。

 プラハ響独特の軽い弦楽器の音色もドヴォルザークに良く合っていましたし、コウトさんの芸術家然とした指揮姿にも感銘を受けました。

 マルティヌーの作品もまた日本ではあまり演奏されることのないものです。ちょっと作品数が多過ぎて今ひとつ全体像が掴めませんが、この弦楽四重奏とオーケストラの協奏曲は中ではまだ知られているほうになるでしょうか?コンチェルト・グロッソにアイデアを求めた新古典の聴きやすい作品で、私も生で聴くのは初めてでしたが十分パッと聴いて楽しめる作品だと思いました。

 話は変わって、少し前のことになりますが、国民劇場でドヴォルザークの歌劇「悪魔とカーチャ」を観ました。悪魔が地獄に連れていったカーチャに手こずるドタバタと、女領主の改心という内容のものですが、劇場に行ってみると子供たちが多く、幕が開いてみれば思いっきりマンガ調だったのでびっくりしました。要するにドイツにおけるフンパーディンクの「ヘンゼルとグレーテル」のような位置づけなんでしょうかね。非常に楽しい舞台でした。第2幕の舞台は地獄なんですが、今回の演出では火を飲む大道芸人なんかも登場していました。あと可笑しかったのは、その地獄のシーンで隅のほうに積み重ねられていた木箱に、チェコ最大のビールメーカーである「ピルスナー・ウルケル」のロゴが描かれていたこと。さすが、チェコでは地獄でもビールを飲むようです (笑) 。

 国民劇場の以下のサイトで何枚か写真を見ることができます。 (http://www.narodni-divadlo.cz/Default.aspx?jz=cz&dk=predstaveni.aspx&sb=1&ic=12)


2月28日に観た公演@プラハ国民劇場

ドヴォルザーク:歌劇「悪魔とカーチャ」 作品112

 Dirigent: Jan Chalupecký
 Režie: Marián Chudovský

 Choreografie: Daniel Wiesner
 Sbormistr: Pavel Vaněk

 Ovčák Jirka: Jaroslav Březina
 Káča: Kateřina Jalovcová
 Její máma: Ivana Ročková
 Čert Marbuel: Luděk Vele
 Lucifer: Bohuslav Maršík
 Čert – strážce: Antonín Hudi
 Čert vrátný: Vratislav Kříž
 Kněžna: Jitka Svobodová
 Maršálek: Jiří Kubík
 Muzikant: Jiří Hruška
 Čert – dítě: Petr Provazník

 Orchestr, sbor a balet opery Národního divadla

 
BGM:ドヴォルザーク:歌劇「悪魔とカーチャ」
     ズデニェク・ハラバラ指揮プラハ国民劇場管弦楽団・合唱団ほか (1955年録音、Supraphon)

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