Diary


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 日本のオーケストラが、「事業仕分け」により、大きな危機を迎えています。


 オーケストラというものは、金銭的な利益を追求するものでも、できるものでもありません(アーティストやマネージメント会社というのは、それはビジネスとして利益というか収入のことを考えるのではありますが、私がここで書いているのは、オーケストラを運営すること、そのこと自体を指しています)。

 それでも、私たちがオーケストラを続けているのは、それが人々の生活にとって必要であるからだと思い、また、必要とされるものでありたいと願うからです。

 そして、各地方自治体、及び文化庁からの助成金・補助金をいただくことによって、私たちはお客様の皆様(たくさんの子供たちも含めた)に音楽を届けていくことを続けていくことが出来ています。近年、地方自治体からの補助金が年々削減されている(あるいは、削減傾向にある)状況にあるなかで、文化庁からの補助金は(主に、日本オーケストラ連盟に加入している)オーケストラにとってまさに生命線になっています。

 ご存知でしょうか? 皆さんが行かれる、オーケストラの定期演奏会。たとえ満席になったとしても構造的に赤字になることがほとんど(私は全てのオーケストラの事情を知っているわけではないので、もっと柔らかく「ほとんどのよう」と書いたほうが良いですかね・・・)、文化庁からいただく事業補助金なしには続けていくことは極めて難しいのです。あるいはチケット代の大幅な値上げ? しかしそれではオーケストラがお客さまの生活の中に根付くのが困難になってしまいます。

 文化庁の公演として、子供たちへ生の音楽を届けることも全国のオーケストラが行っています。これもどんなに大切なことでしょう。

 そしてそのどこに、無駄遣いがあるというのでしょうか・・・

 利潤を追求しないもの、あるいはできないものではあるが、人間が生きて行くために、あるいはより人間として豊かな精神を持ち続けていくために大切なものに対して国家がお金を出さないのであれば、一体国家は何に対してお金を出すのでしょうか?

 大袈裟な話ではなく、今回の事業仕分けが通ってしまえば、日本のほとんどのオーケストラが深刻な経営危機に陥り、あるいは経営破綻して解散に追い込まれることが予想されます。

 今、皆さまのお力添えが必要です。

 文部科学省では、事業仕分けに関する国民の皆さまからのメールを受け付けています(12月15日までです!急を要しています!)。

 http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/sassin/1286925.htm

 です。


 ぜひ上記サイトをご覧いただき、文部科学省副大臣の中川正春氏、政務官の後藤斎氏に以下のようなメールを2通お送りいただけますでしょうか。


 1通め

 件名:事業番号「4」
 事業名「文化関係1−独立行政法人日本芸術文化振興会」


 『芸術創造活動特別推進事業助成金の削減・廃止に断固反対します』
 という文章を含んだ文章でお願いいたします。


 2通め

 件名:事業番号「5」
 事業名「文化関係2—芸術家の国際交流(学校への芸術家派遣)」


 『プロ・オーケストラによる本物の舞台芸術体験事業の廃止に断固反対します』
 という文章を含んだ文章でお願いいたします。


 送り先のメールアドレスは以下の通りです。

 nak-got@mext.go.jp (担当官:中川正春様 後藤斎様)


 少数の意見では今後とりあっていただけないそうです。私たちの活動を応援してくださる皆さま、何卒よろしくお願い致します!!

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